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死についての思索(120)
2023年8月11日
起源への道程は、飛翔の通り道として示されるであろう。色彩を運ぶ大きな鳥が<その、私>に眠っている。それは翼を臥しているという形で、そこに在っている。翼を持っているという形で、それは、そこに、在っている、のである。それは、在っている、という様態で、臥している。それは隔てられた臥し、であり、架けられようとしている在り、である。
源泉への痕跡は、微かな窪みである。その小さな窪みに、臥している、という様態で、在っている、は確かに存したのである。言うまでもなく、存し在っている、という様態の現象こそ、源泉の<その、今>である。
その、臥し、は主語的なものである。それは根源の主格ともいうべき在り方で、在っているものであり、在っている以外の述語を持たぬものである。常に、在っている、というその不動は、最奥の鎮座として、臥し在っている、のである。