落書き0036-0040
0036
騙されるな。
奴はそんなことを望んではいない。
騙されるな。
奴は天国を創りたかったのではなく、地獄を創りたかっただけだ。
騙されるな。
奴等は、悪魔のような知恵をしている。
0037
――偶然のような必然
君は目を見開き、そこで呼吸する
朝目覚めて、何かが起こる
それはきっと、起きるだろう
やり直しはきかない、たった一度だけの必然
繰り返される必然
誰も知らない偶然
だからきっと、どちらでも同じだ
0038
いつもとは少しだけ違う朝。
だから、これは、たとえばの話――。
0039
夢を見た。
空を飛ぶ夢。
背中に翼が生えて、その翼で羽ばたく。
足は地面を離れて、体は宙へと浮かぶ。
どんどんどんどん、上を目指して。
だんだんだんだん、空へ近づいて。
飛び続けて気付いたことは。
果てしなく続く空。
どこまでも続く宙。
いつの間にか、目的は変わる。
いつの間にか、理由が変わる。
どこまで行けばいい。
終わるのは何時か。
諦めるのは何処か。
ああ、どこまでも、どこまでも、おちていく。
夢を見た。
空を飛ぶ夢。
0040
一つ、純白の翼は至高の頂き、他の追随を許さぬ孤高への飛翔。
二つ、銀幕に躍る幻影、そこは最も強き者共の集う場所。
三つ、黄金の杯に誘惑の調、重さを伴った煌きを残して。
四つ、紅月に映る、虚構と欺瞞を塗り替える勝利の美学。
五つ、深緑に潜む茨の古城、覚悟無き者を傷つける棘との邂逅。
六つ、蒼穹に浮かぶ雲のように、形を失くしたあの空のように。
七つ、虹色に輝く道標、誰もが羨む桃源郷への想いを架けて。
八つ、亜麻色に染まる、魅惑の香りを靡かせた髪と海と夜と。
九つ、黒金の龍に護られし最古の墓場、夢の後に築かれる最後の砦。
次から10個ずつで