落書き0061-0070
0061
憧ればかりが先立って
理想はもう私の手には届かない
上を向いて追いかけてみても
行く当てもないままにただ月を見て彷徨うだけ
夢の中で願った星も
気付かれることなく旅立って
せめて生まれ変わる前に
ひとつだけでも奇蹟を掴んであの月に捧げよう
0062
きっとそれが見たくて扉を敲いたんだ。
僕は傷つき、君もまた傷ついたけれど。
誰かに止められようともたぶん無理だった。
もう一度やり直せたとしても、僕は同じことをするはずだから。
もう何もかもを見たくなくて扉を敲いたんだ。
追いかけてきた暗闇に、捕まったけれど。
一番伝えたいことを僕は知ることができた。
もう一度君に伝えたくて、また僕は逃げ出そうとしている。
失くした物を見つけようと扉を敲いたんだ。
思わず重ねた唇に、見落としていたけれど。
僕を支えていた全てを蹴飛ばして駆けていった。
もう一度君と会いたくて、まだ僕はそれを探し続けている。
0063
君の笑顔がこんなにもトキメクのは
僕にとっても不思議な事だけど
眩しすぎる君の横顔に僕は侵されていく
君の笑顔にこんなにも夢中なのは
僕が君に恋してるように思えて
その何気ない君の仕草に僕は毒されていく
呆れた顔も怒った声も
僕が君に振り回される度に変わっていくのも
嬉しいと思ってしまう僕は自分を疑うけれど
君の笑顔でこんなにも苦しくなるのに
僕はすっかり参っている訳で
蕩けるような君の瞳に僕は攫われていく
0064
夕暮れに染まっていく
赤色は冷たく校庭に溶けて
重たい黒色が押し潰される
空を落ちた羽根
天使は翼を殺がれて飛んでいく
0065
“I'm a Faker”
0066
運命など取るに足らない問題だ。
それが俺にどう影響しようとも。
俺のやることは何も変わらない。
0067
少しずつ壊れていくこの世界で
僕らは今日も日々を過ごしている
果てしない狂乱が暗闇に渦巻いても
それに気付くことさえできやしない
僕には君の壊れそうな瞳にも答えてやれない
0068
何度でも言ってあげる
他には何もいらないから
ずっとこのまま一緒にいて
0069
銀奥の隅に掠めた想い
一秒よりも短い時間
貴方への気持ちを隠すような
戸惑う視線に早く気付いて
私はもうこれ以上近づけない
だから貴方から心に触れて
0070
傾いて 彼願の塔