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落書き0001-0005
0001
あの日の私はもういない
今の日の私は私ではない
願う日の私はここにはいない
いつの日か 私が私であるように
0002
現状を取り巻くすべての感覚が
我が脈動を締め付ける
渇ききった叫びは空虚に響き
断罪の鎖は魂の牢獄と化してなお
その歩みを止めはしない
もはや、逃げ道など何処にもないのだ
0003
僕たちは美しい
それは鏡には映らないけれど
掬い上げた掌から
零れ落ちた雫はきっと
まだ誰も知らない色をしている
0004
私は――――ただそう在りたい
0005
沈まぬ太陽の傍らで 世界は既に色褪せていた
彷徨う月に照らされて 私の影は輪郭を失ってゆく
暗い暗い鏡の中で 私は一人夢を見る
空と海との境界線で 佇む距離も知らぬまま
流れ星は涙を落とす 鬣を龍に抱かれながら
夢から覚めた夢の後も 私は探し続けるのだろう
過去が私を追い抜いていく その時まで