13:バレー部エースの帰り道①
ご覧頂き、ありがとうございます♪
少し短めですが。
キリの良いところまでにしたかったので、どうかご容赦ください。
今回は凛子にフォーカスを当てたお話です。
凛子が自主練を切り上げたのは午後9時になろうかと言う時間だった。
照明を焚いて景気の良い掛け声を発していた野球部の連中もとっくに帰っていった。
外の運動部が引き上げてしまうと急に校内は静まり返ってしまう。
さっきまで一緒に練習をしていたさくらは一足先に引き上げてしまった。
もちろん凛子を置いてさっさと切り上げてしまった訳ではなく、親戚の家に下宿しているさくらの住んでいる場所は青葉駅から電車で数駅先にある。
その電車に乗る為にあまり遅くまで付き合えない。
都会と違い、何本も電車が走っているわけでもないのでタイミングを逃すとそれこそ深夜帯になってしまいかねない。
一人居残る凛子を心配し、後ろ髪を引かれながらも帰宅していった。
幸いネットは片付けなくて良いとの事だったので、それは非常に助かった。流石に一人で片付けるのは大変だから。
体育館の照明を落とし、鉄の両開きの引き戸を締め、施錠する。
渡り廊下を渡り、職員室に向かうと数学教師の山里が残っていた。
「失礼します」
「……っ! お、おお、バレー部の。鍵か?」
ノックをせずに扉を開けてしまったので、パソコンに向かっていた山里は肩を大きく震わせ一瞬驚いたが、凛子を見るとホッとした様な表情を浮かべた。
職員室には山里以外の教師はいない。彼も存外に仕事熱心な様だった。
「あ、はい。ここ、かけときますね」
「わかった。えーと、小清水、だったか? 家は近くか? 一人で帰れそうか?」
「はい、大丈夫です」
凛子のアパートは学校から徒歩15分程。比較的近いと言えるし、何よりこの時間の下校にも慣れ始めた所だ。
彼女自身は夜道なんてものは気にしない……様にしている。
「そうか、もう遅いから気をつけて帰れよ」
「はい、失礼しました」
軽く頭を下げると、職員室の扉を閉めた。
夜の学校の廊下はとても暗い。
スマホのライトを起動させ、懐中電灯代わりにして職員玄関から出る。
青葉高校は山の斜面に位置する高校。
校舎から出ると英太たちの街、青葉市が一望出来る。
決して大きな街ではない。人口も多くない山の中にある街。凛子が住んでいた都会の街の夜景と比べると非常に細やかだったが、しかし人の営みが作り出す夜景は確かに綺麗だった。
そして。
「……星」
夜空を見上げると新月なのだろうか、月明かりは無く代わりに星がキラキラと輝いていた。
凛子は星の名前などには詳しくなかったが、それはとても美しく思えた。
同時に少しだけセンチメンタルな気分になってしまう。
自分の〝ワガママ〟でこの学校に押しかけてきて、それなりに楽しくやっていた部員を半ば無理矢理引きずってバレーをさせているのではないかと。
けれど彼女らは確かに全国を目指していた筈なのだ。
少なくとも入学した時はそうだった気がする。
技術は決して高いわけではない。けれど彼女たちの心の内に秘める熱いものを感じていた。
それが今は全く感じなくなってしまった。
……それを誰かのせいだとは言いたくなかった。
自分がこの学校に来たのが原因なのか。
彼女ららしく、楽しんでバレーをやっていた彼女らの居場所を奪ってしまったのではないだろうか。
凛子はそんな責任にも似たモノを感じてしまっていた。
だから練習の自主トレにも熱が入り、毎日ついこんな遅くまでやってしまっている。
他の部員の分も自分が頑張っていればいつかバレーの楽しさ、プレイする事の楽しさを思い出してくれるのではないか。と。
凛子には青葉高校に来る理由があった。
〝彼女〟と同じ空気を吸えば、その存在をもっと感じる事が出来るのではないか。
そう思った。
「……?」
ガラにもなく物思いにふけりながら帰路に着く。
すると校門の所に誰かがいるのに気づき、凛子は歩みを止めた。
お読みいただき、ありがとうございました。
作者は【ブクマ】や【評価】をして頂くのが大好きです。
その為に書いていると言ってもいいくらいです。
生き甲斐、といっても過言ではないでしょう。
☆☆☆☆☆→★★★★★
こうして頂くだけで大喜びする単純人間です。
まだの方いらっしゃったら、下部の☆を塗りつぶして貰えると嬉しいなぁ(切実)
レビューなんか超絶嬉しいです、感想ももちろん。
一言でも頂けたらすごく嬉しいです。
続きが気になったり、お話の続きを読んでみたいと思って頂けましたら、★★★★★の評価とブックマーク登録をよろしくお願いしますm(_ _)m
応援、よろしくお願いします。
視点が分かりづらいと言われる事があります……これからの課題かなぁ…頑張らねば。
次回は今回のお話の後半とも言える内容です。
【いいね】ポチッ




