唯の過去②
彼女はもじもじしていた口を開きだした。
「私たちが初めて話したあの日のこと覚えてる?私は今でも覚えてる。
私が宿題を持ってくるのを忘れて困っていたらふみちゃんが名前書き換えて渡してくれたよね。」
少し笑う彼女。
「そこからどんどん好きになっていった。ふみちゃんと話したいがために学校に行くようになった。中学二年になってギルティ。っていうバンドが好きって
いうのを聞いたからライブ会場にまで足を運んだんだ。あくまで偶然を装ってね…笑」
ぽりぽりと鼻の上をかいている彼女。
俺たちは頷きながら聞いている。
「そこから仲良くなれてほんとにうれしかったの。でも告白したくても中々勇気が出なくてさ…。だからふみちゃんが告白してきてくれたの心の底からうれしかったの!!!」
凪の視線がつらいです…。今カノに聞かせてる俺どうなの…。
「いや、ちょっと待ってくれ。ならなんでそこからお金を要求してきたんだ?」
俺はいままでずっと抱えてきた闇を少しずつ放出する。
「そ、それは…。
彼女は息が詰まる。ほら、うそなんじゃないか。
ざ、雑誌で読んで…。それで男は貢がせたほうがもっと自分のことを好きになるって…。」
は?雑誌?そんなばかな…。
いや、まて。唯はなんでも信じる癖があった。
もしかしたら本当かもしれない。
「黙って聞いてれば!!!そんなのウソに決まってるじゃない!!!
私の、私だけのふみくんを弄びやがって…!!!」
凪が切れた。こ、こえ…
「仕方ないじゃん!!!ほんとなんだもん!!!」
俺は彼女がウソをついてるようには思えなかった。
「わかった。信じるよ。じゃあそこからのいじめは?」
そう、俺のトラウマだ。それはどう説明すんだ?
「昔からよくいじってたからその延長線上で…。ほんとにふみちゃんにまた振り向いてほしかったの!!!!!!!!」
涙がこぼれて唯の化粧が薄れていく。
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