拾肆
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(なんだか妙な方向に進んでいるわね。なんでもう、こう、男ってのは!!!!)
「あの、オカ研の沙夜子さん」
「もう、なに!?」
沙夜子がつい苛立って声を荒げてしまったのは、これから起こさなければいけない行動を練っていたためだった。わざわざ馬鹿にしたようにオカ研という枕詞をつけて名前を呼ぶことにもけっしていい気持ちはしないが、それはもう慣れてしまっていた。
「ひっ! ご、ごめんなさい! ただ、本当にオカ研の部室に彼がいるのか聞きたかっただけで、その」
今さっき動画を見せて確認してもらったばかりのはずだけど、と伝えるのは簡単だった。が、その後の協力に結び付かなく可能性があるため、口から出かかった言葉を弾む息とともに呑み込むと、沙夜子は「ええ、本当よ」とできるだけ短く、かつ関係を損ねない程度の返答に代えた。
蓮と別れてから、沙夜子も独自に調査を進めていた。真っ先に浮かんだ疑問は、川姫が今までどうやって平穏無事に学校生活を送っていたのかということ。それだけの美貌を持っているのなら、それこそすでに注目の的になっていてもおかしくはなかったはず。
だから、沙夜子はすぐに職員室へと向かい、混乱に乗じて生徒の名簿をペラペラと捲った。その結果、一人の女子生徒を探り当てることになる。
お洒落とは全く真逆に位置する地味な眼鏡を掛けたその女子生徒は、紛れもなく昨日あの事件現場で目の合った女の子ーー川瀬愛姫だった。
部室棟を曲がり、早足で騒ぎの元凶がいる部室へ急ぐ。ノックもせずにドアを開けた。ここからが肝心だった。
「あんたたち、待ちなさい!!」




