危うい女 2
ももちゃんに次にあったのは、半年以上経ってからだった。
忙しさに紛れ、そして、コトの大きさにビビり、連絡できなかったのだ。
どうなの…? アレから
恐る恐るたずねる私に、ももちゃんは言った
「大丈夫、大丈夫! 来るなら来いって感じよ」
(…すでに、実害あるってこの前言ってたよ?)
初回に聞いたときは、ご飯もソコソコに、5時間近くそんな話をしたはずなのに、
今回は・・・あれ?2時間で終了
ただ、実害は確実にあるらしく、職場を辞める話になっているという。
職場の別の女の先輩にストーカー君が手を出し、今度は先輩を通じて?自分のものになれって圧力をかけてくる…らしぃ(ややこしぃ…)
この2時間の会談のあと、さらに数ヶ月おきに2回話をする機会があったが、
私の頭には回を重ねるごとに?がつきだした。
だんだんもも節がトーンダウンしてきたからだ。
そして、コレは初回からだが、何故か私の恋愛事情を聞きたがる
少し話をすると、「私も!私もそうなのよ!!!」と、同調してくることに気がついた
そう思いたくないけど、ももちゃんのドラマチックな話は、全部信じちゃいけない話なのかもしれない。
何かに憑かれたように話をするももちゃんは、もしかしたら、いますごく危ういバランスを保って立っているのかもしれない。
職場に出入りしている医療関係の研修生に、そっと聞いてみる
(ねね、クルマのナビから、スマホのデータって盗める?)
「…は?」
年若いが優秀な彼に(heであって、私の彼氏じゃない)我慢できずに全てを話していた。
そぅ…すがる思いで。
何かできることがあるなら、ももちゃんを助けてあげたい。
頑なに警察に言うのを拒むももちゃん。
手遅れになる前に…私にできることがあるなら…
「あのさ…そういう人、よく大学にくるよ?」
(ぇ?)
「首が痛いのは、チップを埋め込まれてるからだっていう類の人たち」
(…それって)
「信じてた? 深入りする前に相談してくれてよかった。
たぶん、病んでるよ、その人」