序章
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ〜」
「なんだ?」
「私まだ名前を聞いてませんよ〜!」
「ん?そう言えば言ってなかったな」
「俺はアベルだ!アベル=ヘイルドだッ!」
ステラと別れ医療室を出て図書館に行こうとした時1人の男性に声をかけられた。
「君ッ!君!」
「俺ですか?」
「そう君だよ!」
「あのあと調子はどうだ?」
「?」
「ほらピリム草原で倒れてただろ?」
どうやらこの人が俺を助けてくれたみたいだ。
「助けてくださりありがとうございました!」
「いやいや礼はいいよ」
「それより君何歳だい?」
何歳...か
俺が死ぬ前は15だったがそういえばまだ自分の姿を見てないな。多分変わってないと思うが...
「15歳です?」
「何故疑問形なんだい?」
「ま、まぁいいかそれよりその年齢で冒険者やっているのかい?」
「いいえ?」
「え?違うのかい?てっきり僕は君は冒険者だと思っていたよ」
「じゃあなんで倒れてたんだい?」
「さぁ?知りません」
「知らないのかい?」
「き、君変わってるね」
男性は苦笑いを浮かべていた。
これ以上会話すると誤魔化しきれないな。
図書館でこの世界について知りたいのに...
「すいません!僕用があるので!」
「そうかい?じゃあまた」
「そういえば君なま...」
「あれ?」
名前を聴く頃にはアベルの姿は無かった...
あの人何か言ってた用な...まぁいいか
そのまま図書館に向うアベルであった。