序章
俺は全てを失った
貴族としての地位も
多忙な生活も
人生も
なのに・・・
「生き...てる?」
「あら?起きたんですか〜?」
声のする方を見ると1人の女性が立っていた。
年齢は俺と同じくらいの可愛いらしい少女だ。
「こ、ここは?」
「ここは冒険ギルドの医療室ですよ〜」
「なんで...俺は」
「え〜!覚えてないんですか〜!記憶喪失なんですか〜?馬鹿なんですか〜?」
なんだ
何故か無性に腹が立ってくる喋り方だな。
てか、ぜってー俺のこと馬鹿にしてるよな。おい
「そ、それよりさー俺なんでここにいんの?」
「え。マジで覚えてないんですか〜?」
「いいから教えろ」
「な、何怒ってるんですか〜?」
お前のせいだよ!
どうやら俺はピリム草原と呼ばれる場所で倒れてたらしい。偶然通りかかった冒険者に助けられたらしいが。
「それより冒険者ってなんだ?」
「あなた冒険者だからピリム草原にいたんじゃないんですか〜?」
「いや違うけど。」
「え〜!てっきり冒険者かと思ってました〜」
「で、冒険者ってなんだ?」
「え〜!知らないんですか〜」
ウゼェ
「常識ですよ〜」
「早く教えろ」
「わ、分かりましたよ〜」
なるほど、冒険者というのは俺の国でいうハンターみたいなものらしい動物やモンスターを狩りその素材を売ってお金を稼いだりダンジョンと呼ばれる迷宮を攻略したりしてるみたいだな。
そういえば『スキル』とか言ったかな?聞き慣れない言葉か聞こえたが。
でもなー
これ以上コイツに聞いてもうざいだけだしな〜
どうしよう...
そうだ!
「おい!お前」
「お前じゃありません〜!私にはちゃんとステラっていう名前があります〜」
「じゃあステラここら辺で図書館ないか?」
「図書館...ですか?」