1:基本全ての物語は終わりから始まるけれどいつも理不尽だ
序盤は急スピードで飛ばして行きたいので12時と19時に投稿出来るよう頑張ります!
気が付いたら、目の前は真っ白な世界。
隣を見たら私と同じ様に辺りを見回す男子が一人。
そして私達はいきなり言われたのだ。
「貴方達は死にました」
......とね。
◆
自分の名前が頭から出てこない、家族がどんな人だったかはわかるのに名前はやっぱり出てこない、そして声もどんな声だったか思い出せない。
ちなみに、家族や友人が死んだ時、一番最初に忘れる物は声だと言われている。
逆もそうなのかしら?
ま、とりあえずそれは置いとくとして、お隣の男子と話していきましょう。
「気が付いたらいきなり真っ白な場所に居て、辺りを見回したら突然貴方は死にましたと言った謎の声、貴方はどう対応する?」
「そこで俺に振るの!?」
と、慌てたような返答。
うん、どうやらこいつは私と同じような境遇みたいだ。
仲間って素晴らしい。
「そう言われたって私も意味不明だもの。 人に頼るのは当たり前でしょ? これでも焦ってるわよ」
「あぁそうかい......俺にとっちゃ死んだって言われても実感ねぇし、気が付いていきなり貴方は死にましたって言われてどう対応すればいい? 何てわかるはずねぇだろ......とりあえず、死因ぐらいは聞いておきたいか」
彼も同じ立場なんだしそりゃそうか。
だけど、この人は自殺希望者か何かだったのかしら? 普通の人なら死んだ事実何か受け入れないでしょ。
私だったら受け入れられない......いや、受け入れてるわね。
まぁ似たもの同士って事なのでしょう。
「死因か......まぁ確かに気になるわね。 じゃあさっさと私達の死因教えなさいよ」
「すごい命令口調だなおい」
「——貴方達の死因は自然災害です」
そうやってまるでロボットのような声でさらっと返答される。
あらかじめプログラムされていたような、そんなような事を感じる。
それは置いといて、自然災害か。
地震とか?火事とか?オヤジとか?
まぁ誰かに寝ている時にナイフで刺されて殺されたって事ではないのがわかったし、これで良いでしょう。
「で、ここから俺達はどうなるんだ? まさか最近の小説や漫画みたいに転生みたいなベタな事じゃないんだよな」
「それ、隠してるようにみえるけど。 転生なんて単語を使ってる時点で貴方がオタクってことは充分にわかったわ」
「悪かったなオタクで!」
「別に悪いとは言ってないじゃない。
......あぁそうか、隠してるって事は恥ずかしい事なのね」
「うぐぐ......で、どうなんだよ」
人間誰しもそういうものだ、その事を後ろめたいと思ってるから隠すように発言をする。
サプライズやドッキリなども同じかもしれないが、あれは隠してるんじゃない。
教えないだけ。
「——貴方達はその知識を持ったまま、アレスティアと呼ばれる世界に転生してもらいます」
「アレスティアね...どんな世界なの?」
立て続けに質問を繋げる。
知っておいて損なことはないだろう。
だけど知るために目星とかの能力を上げて運が悪いと変なものを見てしまいSUN値が下がってしまう。
探求心とは恐ろしいものね。
「——アレスティアは人間と精霊が一心同体となった世界。これ以上は自分の目で確かめてください」
精霊とは何かとかも聞いてみたいけど、答えてくれないでしょうね。
精霊という名前でも世界によって存在は変わるだろうし、もしかしたら政令かもしれないし。
まぁそれだったらどんな世界よって事になるのだけどね。
「アレスティアねぇ......」
すると隣の奴は何かを知っているのか考え始める。
「そこの男子、ブツブツ言ってないで説明しなさい」
「だからなんでそう命令口調なんだよ......いや、アレスティアの語源を考えてみてな。アレスティア単体だと知ってる意味はないが、アレスとティアの二つの単語に分けると、戦の神アレスと勝利の女神ティアが出てくるんだよ」
「なるほど、貴方がオタクに加えて神話好きな厨二病ということがよく分かったわ」
「酷いなおい!」
まぁでも参考になる発言ね。
戦いをし、必ず勝利する世界って事なのかしら?
それどんなチートなのよ......
あり得ないわね。
それだと世界間戦争の間に私達が巻き込まれるとかいうおかしい展開になるし......
っていうか、もうその設定に定着してる私もかなりのオタクね、どうでも良いけど。
「まぁこれ以上考えても仕方ないわね、で、私達が何をすればいいのか説明しなさい」
「特になにもありません、自由に行動なさってください」
「「......え?」」
「それでは貴方達を送還します」
で、死んだ時?と同じようにいきなり私達はアレスティアという世界に転生させられたのだ。
神って理不尽、超理不尽
......で、結局なんで私たちここに呼ばれたわけ?
使命とかないなら別に私達をこんなとこに呼ばないでそのまま転生させちゃえば良いのに。
そんな事を考えながら私は落ちていく、アレスティアっていうのはかなり低い世界なんだろうか。
......そんな落ちる景色を眺めていると、青色と緑の模様がある球が私達を通りすぎるのが見えたのだった。