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異界のドラゴン 2

 

 目が覚めて1番最初に視界にうつったのは茶色い木の天井。

 懐かしい気がしたが、ボロいし蜘蛛の巣があることに気が付いた。

 一瞬自分の家かと思ってしまったから、何だか悲しい。

 此処は何処だろうと頭だけ動かして周りを見てみると金髪の大男と目が合った。

 寝よう。


『お嬢さん目を覚ましたんだね。良かった。何処か痛いところはないかい?』


 何言ってんですか。

 何語ペラペラ喋ってるの?

 笑顔で話し掛けられても裏があるとしか思えない。

 近づいて来るため逃げようとするが、身体のあちこちが悲鳴をあげて動けない。


「嫌、こっち来るな!嫌!」

『お嬢さん!?』


 来ないでほしいのに反対に大男は慌てて近寄ってきた。


「嫌キモいっ!」

「アドルフ、女は嫌がっている」


 突然何処からともなく現れ、大男をとめたのは重そうな服をきた不思議な色の髪をもった男だった。

 二人が何度か話すと私と大男の周りが白く光った。


「ふぇっ!」

「言語が違ったらしい。これでどうだ」

「だったら最初から言葉が通じるようにやっといてくれよ。嬢ちゃん、俺の言葉分かるか?」


「日本語!」


 さっきまで訳が分からない言葉を使っていたくせにいきなり日本語話せるなんて!

 最初からそうしてほしかった。


「お前達の言葉が通じたかどうかはどうでもいい。おい女、お前がドラゴンだな。傷が完治するまでこの家に仕方なく置いてやるが、その間は私の小間使いだ。完治したら出て行け。分かったな」

「師匠!」


 ドラゴン?

 小間使い?

 何こいつ、頭イカれてる系?

 眉をひそめていると大男の方が話始めた。


「今のこの人が言ったことは忘れて。お嬢さんは、もしかして日本から来たのかい?」


 私は戸惑いながらも小さく頷く。


「俺はイギリスから来た、アドルフだ。お嬢さんの名前は?」

「山田……ですけど?」

「ヤマダちゃんか。大変だったね。ゆっくりでいい、君の身に何があったか教えてくれないか?」

「私に?」


 動かす度に痛みの走るこの身体が、あの出来事は夢ではないといっていた。

 暗闇でもよく見えた水溜まりに浮かぶ恐ろしい顔。

 光が見えたと思えば、高い壁。

 一人の男にいきなり身体を刺され、やり返せば降ってくる沢山の矢と身体に纏わり付いてくる熱い炎。

 熱くて痛くて、訳が分からなくなり暴れる身体。

 逃げ出そうと何度もぶつかりながらも高く飛んで、でも石の壁と見えない壁で出られない。

 諦めきれず見えない壁にぶつかっているとやっとの事で外に出て、私は森の方に行けるだけ飛んで……。

 夢じゃない、夢じゃないんだ。

 私は殺されかけたんだ。

 刺された足が痛い、痛い、痛い。

 自然と涙が出た。


「……私、殺されるの?嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!!帰る。私もう帰る!お願い帰して!!」


 無理矢理身体を起こし此処が何処なのか知らないけど、家に帰るために起き上がろうとしても上手く起き上がれないし、仕舞いには大男に両腕を掴まれ止められる。


「落ち着いて、ヤマダちゃん。ごめんね、嫌な事思い出させた。今は安静にして怪我を治そう」


 ブツブツと呟く声が何処からか聞こえたと思ったら、目の前が何度も暗闇になった。



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