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第25話 しりとりは本気でやると案外面白い

「よし、学校縛りのしりとり始めるぞ。俺から赤槻、笛吹の順番でいいか?」

「いいわ」

「異議なし」

「おっけ。べたにしりとりの『り』から始めるとして……うーん、あっ、理科室とか!」

「ふむ。まさに学校だね」

「貴方にしては悪くない答えじゃない」

「貴方にしては、は余計なんだよな」

「次、私ね。『つ』うううううううう……」

「唸ってるぞ、赤槻。大丈夫か?」

「今考えているから黙ってなさい!」

「……すんません」

「ゲーム中の野次などの妨害行為は禁止だぞ」

「厳しっ! eゲームじゃないんだから気楽にいこうぜ」

「私の番なんだから黙りなさい。つうう、机!」

「机……か。机、ちょっと怪しくない?」

「はぁ? 私の回答に文句あるって言うの⁉ 学校にあるじゃない!」

「確かにあるけど、普通に家にもあるしな。学校っぽいといえば違うような。じゃあ、笛吹にジャッジしてもらおうか。笛吹、どうだ?」

「ふむ。確かに机は家にも学校にもある。だが家にある机なんて一部屋一台だからせいぜい一つの家に五台ほど。しかし学校には一教室に二十台以上、それが何教室もあるということは、一つの学校に机は何百とある。ということで、この回答は是とする」

「数の問題⁉ まあ、でも理にかなっているような」

「どうよ?」

「赤槻、そんな平凡な回答でドやらなくていいぞ。じゃあ、笛吹、行ってみようか」

「ふむ『え』……か。え、ね。ええ……ええ………………ええ」

「随分長考だな、おい。将棋しているのかと思ったわ」

「時間制限ないからね。長考し得だよ」

「オフラインなんだから、相手のことも考えてくれよ」

「ちょっと待ってくれ、思いつきそうだ。『笑顔が爽やかなサッカー部部長』」

「は? 何それ?」

「よくいるだろ? 学園恋愛シミュレーションゲームで」

「ニッチなあるある、やめてくれ!」

「だいたい、こういうキャラに限って重い過去があるんだよね。その過去に触れたとき、攻略して幸せにしたいと思うんだ」

「知らねえよ、そのあるある」

「そうか。でも、サッカー部部長なんて学校にしかいないだろう?」

「そうか? サッカー部部長が家にいる時もあるだろ」

「どうしてさっきから家基準何だい? とりあえず、青山クンはこの回答に異をということだな?」

「おう」

「では赤槻サンにジャッジをしてもらおうか」

「そうね。別にいいんじゃない? どーでも」

「どーでも⁉ お前、絶対面倒くさくなっただろ!」

「ふん」

「まあ、いいや。せっかくだから楽しくいこうぜ。で、『う』か。う、だな、うううううう」

「何、踏ん張ってるの? うんこでも出そうなの?」

「女の子がうんことか言うな! ウサギ! どうだ? 俺が通っていた小学校ではウサギ飼っていただぞ」

「あまりにもひどいわね。私が通っていた小学校では飼っていないし」

「そもそもウサギのイメージは動物園だろ。よってこの回答は非とする」

「勢いで行けると思ったけど、やっぱりダメだよなあ。真面目に考えよう。う……う……う。ヤバい、思い浮かばないぞ」

「降参? もう降参するの? 一巡目にして早くも?」

「赤槻さん、煽りプレイは止めてください」

「煽られるプレイングをする方が悪い」

「笛吹、ちょっと赤槻に甘すぎない? うううううう。上履き!」

「おー、やるじゃないか、青山クン」

「良く出たわね。珍しく褒めてあげるわ」

「だろだろ? 俺、結構凄い?」

「一問答えただけで調子乗らないで。次は私ね。『き』ね。教室」

「素晴らしいね、赤槻サン」

「色々文句言おうと思ったが、ぐうの音も出ないぜ」

「次はぼくだね。『つ』……か。なかなか難しい。『ツンデレ学級委員長』」

「さっきからそれやめろよ! お前だけ競技違くないか⁉」

「ツンデレ学級委員長。学園恋愛シミュレーションゲームの鉄板だし、学園ラブコメ作品でも定番だろ?」

「そうかもしれないけど……」

「きみとか好きそうじゃないか。そういうの」

「好きです。非常に」

「不要な倒置法だね。ならばこの回答を通してくれたまえ」

「分かったよ。『う』……な。う……って、また『う』じゃん! それが狙いかよ!」

「たまたまじゃないか?」

「とぼけやがって。くっそ、ゲームになると、笛吹は赤槻以上に意地悪いなあ。うううううううううううううううううう‼」

「はやくうんこに行ってきなさい」

「行かねえよ! だから、うんこって言うなって! う、だろ。いや、あるある。絶対ある。信じろ、俺を! ……ダメだ、出ない」

「うんこが?」

「うるさい! ちょっと気分転換に外見てくるわ」

「行ってきなさい。どうせ思いつかないだろうけど」

「ふぅ。やっぱり外の景色を見ると落ち着く…………ん。あああああああああああああああああ‼」

「うっさいわよ、バカ! 突然奇声あげるの貴女の悪い癖よ!」

「運動場だああああああああああ‼」

「なんと……」

「チッ。やるじゃないの」

「しかも『う』返し! なあ、これが神プレイってやつだろ⁉」

「確かにしりとり神プレイ集という切り抜き動画があったら、切り抜かれいそうだ」

「よっし! チェックメイトだ、赤槻!」

「貴女の回答で思い出したわ、ありがとう。運動会」

「あ」

「さすがは、赤槻サン! 神プレイを神プレイで返す、神プレイ返しだ」

「審判の赤槻えこひいき具合が凄いです。……といっても、確かにこれは神プレイといっても過言ではない」

「『い』だね。い……。『陰キャだけど的確なアドバイスを送る図書委員長』」

「おい、だからやめろって! ズルいだろ、それ!」

「これも学園恋愛シミュレーションゲームや学園モノの定番だと思うが?」

「これ認めたらダメだろ! さすがに赤槻、お願い!」

「私は中学三年の時、内申点稼ぎのために図書委員長をやったことあるわ。私は陰キャだし、的確なアドバイスも出来る。よって、この回答を是とする」

「よっし」

「もう終わりだよ、このしりとり」

「じゃあ、青山クンは『う』だね。へー、なかなか面白い文字だね」

「はったおすぞ、笛吹! こいつマジでゲームになると意地悪すぎる!」

「さあ、頑張りなさいな、青山」

「ううううううううう、うんこ。……もうダメだ」

「レディーの前でうんこなんて最低っ」

「お前が言うな! というか、お前がうんこうんこ、言うせいだからな!」

「縛りから外れているし、ゲームの品位を著しく下げた。一発退場だ、青山クン」

「ですよねえ。ということで俺の負けで、しりとりは終了だ」


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