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20話

  「最悪…」


 昨日、桜の名前を聞いたせいで昔のことを思い出してしまった

 学校にいったら桜に会うかもしれない、そう考えると行きたく

 なくなってきた。それでも行くしかないので準備をして学校に

 向かった。

 下駄箱に桜の姿は見えないいまのうちに…

 

  「あっ遠藤くん。」


 この声は…

 

  「おはよう遠藤くん。」

  「おはよう水瀬さん…」


 水瀬さんだ。水瀬さんと最後に会ったのは海に行った日なので

 ちょっと懐かしく思う。


  「遠藤くんと会うのは久しぶりだね。」

  「店に来てくれれば会えたけどね。」

  「毎日バイトだったの?」

  「まぁ…ほぼ毎日。」

  「じゃぁ会いに行けばよかったなぁ〜」


 水瀬さんと他愛ない話をしているとき僕の視界にちらっと桜が見えた。


  「水瀬さんそろそろ教室に行かない?」

  「えっじゃぁお昼一緒に食べない?」

  「えっ」

  「ほら夏休みになにしてたとこ聞きたいし…とりあえずお昼

   屋上にきてね?約束!」

  「あうんわかった。」

  「それじゃ!」


 そう言って水瀬さんは走って行ってしまった。

 僕も教室に行くかぁ。


  お昼になり僕は屋上に行った。屋上の扉を開けると水瀬さん以外に

 和人と雛乃、あと菊池さんもいた。


  「遅いぞ悠斗。」

  「いや…なんでいるの?」

  「いたらだめなのか?」

  「そういうわけじゃない。」


 僕は和人の隣に腰を下ろす。


  「このメンバーで集まるのは久しぶりね。」

  「確かに。基本的にゆうくんは居なかったもんね。」

  「えぇ…僕だけ誘われなかったのか…。」

  「遠藤くんはバイトがあったから。」

  「まぁ確かに。」


 そのまま他愛ない話をしてお昼を過ごし放課後に店に集まること

 になった。


  放課後、僕は靴に履き替えて校舎から出ようとした。


  「悠斗くん?」


 うしろから聞きたくない声が聞こえる。僕は振り返ってしまった。

 

  「桜…」


 桜は昔と違い髪をのばして多分うっすらだけど化粧もしている。

 僕が覚えてる桜はいつもオドオドしてたけど今はそんなかんじ

 もない。多分中学の奴らが見たら誰かわからないくらい変わって

 る。


  「悠斗くんあの…」

  「ごめん。」


 桜がなにか言おうとしたけど僕はそれをさいぎる。桜の声なんて

 聞きたくなかったから。僕はそのまま何も言わずにお店に向かった。

 

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