契約
世の中には
守られているとしか思えないような人がいて
その隣には
救いの手が必要な人が大勢いて
その違いはなんだろうといつも思う
なぜわたしは
なぜわたしの大切なあなたは
誰からもどこからも守られていないような
そんな気になるのだろうと
あの人とわたしの違いはなに
あの人とわたしの大切なあなたの違いはなに
どうしてわたしとあなたはいつも幸せでいられないのだろうと
どうしていつも世界はわたしとあなたを裏切るのだろうと
なぜ毎日幸せは続かないの
なぜ穏やかに平和に平凡に過ごせないの
普通でよかった
平凡で、名も無い、消え去る誰かでよかったのに
……契約を、と、声がする。
平凡を望むな
名も無く消え去る運命を望むな
目を覚ませ、と。
守護とは
地球との契約である
彼らはこの星で運命に守護され
運命を手にして生きている
お前は
この星に名を残す運命を手にしていない
平凡でいい
強くなくていい
穏やかで平和でありたいと
運命を手にする事なく生まれてきた
契約の時だ
声を上げろ、名を残せ
この星と契約しなかったお前に慈悲をやろう
手を伸ばせ、つかめ、お前の運命を
お前の運命は宇宙にある
我が契約の子
覚悟を決めろ、目を覚ませ
漫然と暮らす先に平和などなく
善良さを糧として力を振るえ
掴み取れ、運命を
星の運命と関わらずに生きる子らよ
自らの幸運を、これまでの不運を、最高の選択を喜び生きよ
お前の運命は宇宙にある
契約しろ
その手にもぎ取れ
運命の守護を
世界は変わる
世界は宇宙だ
お前の世界は宇宙なのだ
喜べ、契約の子よ
今、お前の世界が始まる
お前は、宇宙に名を残す存在なのだ