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第5話 【鑑定の儀】①

 ミリアと一緒にダイニングような場所に移動した。


 既に家族は全員揃っていて僕が最後だったみたいだ。


「お~い! 遅いぞ~ ユーリ」


「ユーリ。お母さんはそんなに待ってないから大丈夫よ」


「ユーリ。そんなに遅いとお前の分まで食べるぞ?」


「ユーリにーさま! おはようございます!」


 やっぱり結構待たせちゃったのかも。今日だけは許してほしい! だって、今日転生したんだもん。それは仕方ないじゃん!! 転生したとは口が裂けても言えないけどね。


「おはよう! エミィ。ごめんなさい。遅れてしまって」


「分かってくれればいいんだよ」


「別に遅れてくれてもいいんだぞ。食べるからな!」


「どんだけ食べたいんですか。レオ兄!」


「ハハハッ。だって食べ盛りなんだもん。」


 これもレオ兄なりの優しさなんだよね。これ。前世ではこんな会話なんかしなかったから、泣いちゃいそうだ。今は堪えよう。


「今日は【鑑定の儀】だぞ!? ユーリは覚えてたか?」


 え? 何それ? あ。でもユーリの記憶には残ってるな? 


 どうやら人のスキルを鑑定する儀式みたいだ。レオ兄も3年前に受けてる。【剣聖】はもうレオ兄が取ってるから、正直レオ兄を支えられるような力の方がいいな。


「分かってるよ! でも、もう【剣聖】はレオ兄が持ってるから、国王はレオ兄で決まりだし、それならできるだけレオ兄を支えられるようなスキルが欲しいなぁ」


「嬉しいことを言ってくれるなぁ。ユーリ。お前がどんなスキルだったとしても俺はお前のことを頼りにするからな? 覚悟しとけよ?」


「任せてよ! レオ兄」


 レオ兄はほんとに良い兄だなぁ。僕がどんなスキルをとっても良いようにさりげなくフォローしてくれてる。レオ兄は良い君主になるんだろう。その隣には僕が立ってたいな。


 確か神様が僕にスキルを与えるって言ってたから、悪い結果にはならないとは思うんだけど……。 不安だな。


「どんなスキルであれ、勉強と鍛錬は5歳から始めるからな」


「ゲッ…… そうだった…… 嫌だなぁ」


「ゲッってなんだ。ゲッって。当然だろう」


「それはそうですけどぉ……」


「ユーリ、諦めろ。ごねたところで何も変わらないぞ。俺が経験済みだ......」


 あ、レオ兄が遠い目をしてる。朧気だけど、レオ兄が五歳の時にものすごいごねてたのを覚えてるな。その後何日間かは顔が死んでた。


「ユーリにーさま、だいじょうぶ?」


「うっ、うん。大丈夫だよエミィ。心配してくれてありがとう」


「うん!!!」


 ああ、逃げ場がなくなったな。でも、せっかくもらった命だからできるだけ頑張って生きよう。決して、ミリィに言われて断れなかったからとかじゃないからね!? 


 勉強も前世ではまあまあできた方だし、高校までしっかりと勉強できてたから、勉強の方は大丈夫なはずだ。鍛錬はまぁ嫌だけど、王族なわけだし、ある程度自衛ができてないとだめだよね。


 まぁ勉強も鍛錬も嫌だけど、今はそれより【鑑定の儀】だ。このスキルが何かによって、僕の人生が決まると言ってもおかしくない。そう思うと緊張してきたな。


 今はちゃんと朝食を食べよう。

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