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ツイッタートレンド ヒューマンドラマ偏

『ひと夏の恋』

作者: 木尾方

僕は夏休みを利用して、地方の自動車教習所の合宿にきている。


車が好きで、高校の頃からバイトをして、合宿費や中古車の頭金ぐらいは貯まった。


夏休みが終わる頃には、自分の車で好きな場所にドライブに行けることだろう。


ただでさえ、ワクワクドキドキしながら合宿にきたのに、どういうわけか、僕は、恋をしてしまった。


高嶋響子 教官に恋をしてしまった。もちろん年上の女性だ。小柄で清楚、髪はボブ 教習所の黒いスーツの制服が すごく似合う。


入所始めは何とも思ってなかったが、教室の窓から実習車を巧みに操り、並べていく姿に「すごく運転のうまい人だな」と見とれていた。


第1段階最初に高嶋 教官がついてくれたので、何気なく聞いてみた。

「オレ、教室から教官が実習車を上手に動かしているのを見てるのですが、どうやったら あんなバックスピードで車をコントロールできるのですか?」


「・・・・えっと、小泉 慶斗 君ね。学科中は、ちゃんと前を向きましょうね。」


「あ、はい。すみません。」


「うふふ、まだ免許がない あなた達からみたら凄いことかもしれないけれど、慣れればたいしたことないわよ。」


しかし、その日の夕方、僕は高嶋響子に恋してしまったのだ。


夕方の授業で教習所に入ろうとしたとき、パァァンっと響くクラクションが鳴った。

僕や、合宿仲間が その車の方を向いた。


「小泉 君!ちゃんと学科に集中するのよ。」車の窓から声を出したのは高嶋教官だった。

もう一度、パァァンっとクラクションを鳴らして、駐車場からアクセルを踏み、ハンドルを右にククっときりながらタイヤを鳴らして颯爽と走っていった。


「あの、Z いじっていてカッコいいな。」合宿仲間の誰かが言った。けど俺は車のことよりも高嶋教官のギャップに完全にやられてしまった。


修了検定、仮免許に受かり 第2段階になる頃 高嶋教官と 何気ない日常の会話ができるほどになっていた。このまま、合宿が終わったら、「はい、卒業おめでとうございます。それでは。」で終わってしまうのは嫌だ。 何とかしないと。


まだ、仮免許で外周すると運転に緊張するのに、高嶋教官が隣だと別の意識をしてしまう。



キ、ッキー!と高嶋 教官が実習車の補助ブレーキを踏んだ。

「小泉 君!横断歩道を渡ろうとしてる人がいるよ。ちゃんと周りを意識してくださいね。」


「はい、すみません。」俺は横断する人に頭を下げた。


ダメだ。ちゃんとしよう。ちゃんと考えよう。


数日後


「高嶋教官 これ 後で読んでください。」俺はラブレターと言うには程遠い手紙をわたした。


「・・・ありがとう?後で読ませてもらうね。」


翌日


「小泉 君 昨日の手紙・・・本気?」


「は、はい。」


「ふーん。卒業するまで、考えさせて。そして、小泉 君は合宿に集中すること。いい?」


「はい、わかりました。」


それから、心のモヤモヤが取れたのか、合宿に集中できた。


今日は、高速教習の技能講習がある。本来なら1台の実習車に生徒2名乗るのだが、一緒に乗るはずだった合宿仲間が熱を出してしまい欠席になってしまった。


高嶋教官と二人きり・・・いつも外周と違って、もっとドキドキしてしまう。


「いい?小泉 君 パーキングエリアまでは私が運転します。そこで休憩をとり運転を代わり次のインターチェンジで降りて私と交代します。いいですね。」


「了解しました。」


高嶋教官の運転で難なくパーキングエリアに着き、しばしの休憩 2人でアイスを食べた。デートのようで楽しくなる。


「さぁ、ここから小泉 君の運転ですよ。落ち着いてね。合流しちゃえば後は楽だから。」


「はい、頑張ります。」


車に乗り込み、運転を始める。さっきまであんなに話していたのに、急に無言になってしまった。初めて高速だからか、余裕がない。


「大丈夫だよ。」その ひと言で緊張がほどよく解けた。


インターチェンジを降り、運転を高嶋教官と代わる。


すると、高嶋教官が笑いだした。


「どうしたんですか?」


「いえ、小泉 君の運転、ガチガチだったから」


「ひどいですよ。初めての高速なのですから緊張するの当たり前じゃないですか。」


「ごめんなさい。あまりに可愛かったので」


・・・・可愛い? 参った。そりゃ、年下だけど可愛いはないんじゃないか?


「可愛いって、子供扱いしないでください。」


「・・・・ごめんなさい。そんなつもりじゃ。」


無言になっしまった。困らせるつもりじゃなかったのに・・・・!


「響子さん!前!」


「!」


前を走行している大型トラックのタイヤが破裂したのだ。フロントガラスに破片が飛んでくる。2車線の高速道路 左右にぶれるトラック。瞬く間に接近する!ぶ、ぶつかる!


トラックが左に寄せた瞬間、高嶋教官は、アクセル、シフト、ハンドルをレーサーのように動かし難なく回避したのだ!


「はぁ、びっくりした。」冷静にバックミラーで後続車達が大丈夫なのか確認している。


僕は、ガクガク震えるばかりだ。


「こ、コワかったです。」


「そうね。」


教習所に着くころには、大分落ち着いた。


「小泉 君 大丈夫?」


「はい、なんとか。」


駐車場に車を止めて、エンジンをきり、高嶋教官はハンドルに頭をうずめた。


「はぁ、よかった。本当にどうなるかと思ったよ。車間距離は大事だね。ほら。」


そういうと、高嶋教官は僕の手を取った。


「戻ってきて安心感がでたのか、今頃 震えてきた。」少し涙目になってた。


思わず僕は、抱き寄せてしまった。


「ちょ、ちょっと、小泉 君。」


「あ、す、すみません。なんか、可愛いくて。」


「・・・・さっきの仕返しですか?」


「そんなつもりじゃ。」


「・・・・高速技能も終わったことですし、後は卒業検定ですね。楽しみにしてます。頑張ってくださいね。」


「はい!よろしくお願いします。」


もうじき、合宿も終わるが、この気持ちは終わらせたくない。


まだ、僕の夏は始まったばかりだ。


読んで頂き誠にありがとうございます。


今日のTwitterトレンド『ひと夏の恋』


いいですね~(*≧∇≦)


したことないけど(´<_`;)


あー、恋したい。(ヾノ・∀・`)ナイナイ


それでは、またお会いいたしましょう。(._.)ペッコ


ちなみに、最初、事故を起こす妄想をしておりました。Σ(O_O;)

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