クリスマスは幸せに!
十二月二十四日、自分は身体にかかった雪を払って寒い身体を擦り、震えながら急いで帰路へと着いていた。
「さっぶい! なんでいきなり寒くなるの……」
紗夜を思い出しながら駆け足で家へと戻る。手と足の指の感覚はほとんど無い。朝はそこまで寒く無かったから油断したらこれ。
それと急ぎたい理由はただ一つ、クリスマスイブだからだ。明日は本番だから休みは取れたけど……。自分は悪態を吐きながら扉を少し乱暴に開けて帰宅した。
「ただいまー!」
「大丈夫〜……じゃなさそうだね。ストーブの前に着替えは置いといたから〜」
「ありがとう……」
枯れるような声を出しながら温められた服を着る。
「今日は味噌のお鍋だよ〜、もうすぐ出来るから手を洗って待っててね〜」
「手伝うよ?」
「今手伝わしたら怪我しちゃいそうだからダメだよ〜? 私に任せて〜」
「うん……わかった」
確かにまだ指は少ししか動かない。邪魔になるくらいなら待っていた方が良い。大人しく手を洗って待機する。
少ししたら鍋を食べられる準備が整う。
「「いただきます(〜)」」
「……美味しい!」
「良かった〜!」
鍋の具材はあっという間に無くなった、主に紗夜のせいで。〆は麺を入れることにしてスープまで飲み干してご馳走様となった。
「あーお腹いっぱい……」
「お風呂も入れてあげるね〜、今日は洗いっこじゃなくて一方的に洗うけど〜」
「く、くすぐったくしないでね?」
「ちょっと無理かも〜。あ、声を出さなかったら良いと思うよ〜?」
「無理じゃん……」
紗夜は自分のことが好きすぎて悪戯好きになった、と付き合って少しした頃に言われたのだ。ベッドの上でも付き合って初めてした時は自分の方が優勢だったのに……。
「じゃあ行こっか〜」
「ふぁい……」
腕を広げられた時点で駄目だった。自分は吸い寄せられるようにハグされ、服も脱がされながらお風呂に入れられたのだった。
「肩凝ってるね〜」
「う、うん……気持ち良い……」
「脇腹も凝ってる〜」
「ひゃあっははは?!」
数十分後、お互いちゃんと温まった状態でお風呂を上がった。とても紗夜がたのしそうでした。
「今日もログインする〜?」
「ん、しよっか。クリスマスイベントやってるみたいだし」
「は〜い」
自分たちは同時にログインする。するとゲームの中では雪が降っており、現実と同じように大きくクリスマスツリーがあった。
「クリスマスツリー行こ?」
「だね〜、何かあるみたいだし〜」
周辺はプレイヤーが沢山集まってた。自分たちも近付くと一つの画面が表示される。
「クリスマスプレゼントクエスト?」
「クエストを一定数したり魔物さんを沢山倒したら靴下が貰えるみたいだね〜。貰えたらここに来て掛ければ良いみたい〜」
「なら早く手に入れないとね」
「だね〜」
自分たちは駆け足気味に早速冒険者ギルドへと向かってクエストを最大数受けたのだった。
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