プロローグ
最初は真面目に書きます。最初だけね……。
人類と亜種の大地、ミッドガルズ
神に見守られしこの大地は、人類を中心に長きにわたる平和な時代が続いていた。
しかし千年前、人の心から生まれた新たな神の出現に危機感を覚えた古代の神は、悪魔の誘いに惑わされ平和の時代を捨て去り、剣と魔法の時代を作った。
剣と魔法の時代
別名、古代神と新たな神の代理戦争と言われたこの時代。突如訪れた神々の戦争により多くの血がミッドガルズに流れた。
300年続いた戦争は、ラグナログと呼ばれる最終戦の結果、古代の神は死に絶え、わずかに生き残った新たな神は遠くの大地に封印される。
神を煽った悪魔は世界から去り、古代より生きた悪霊も今は遥か空の彼方へと消え去った。
剣と魔法の時代が終焉すると、人は新時代を迎え始めた。
神も悪魔も消え去りし荒野に残された人類は、その大地に麦を植えた。
麦は人類を増やし、神の恩恵を失った思考は、自ら考える事で知性が生まれた。
知識が高まると、人類は農業、漁業、酪農などの産業を発展させ、やがて人類は絶滅の危機を免れた事に気が付き、それを喜んだ。
しかし、人類に余裕が生まれると、今度は人の心の中から再び神と悪魔が生まれた。
その神と悪魔はお互いを嫌悪して、戦う事を人類に命じた。
その結果、再び人類が愚かな戦争を始めた時、突如、空から未知の敵が現れ始める。
その敵の名は『空獣』。
剣と魔法の時代に封印された神の地から現れた異形の生命は、空から人類を襲い始めた。
空からの敵に劣勢に立たされた人類は戦争を止め、知恵を使い剣を銃に変えて、魔法と空獣の死体から空駆ける船を作り出し、新たな敵に抵抗を始める。
それから150年。
したたかな人類は、空獣の死体から得られる資源さえも産業として空獣と共存するようになった。
この新時代を後世の歴史家は「空の時代」と呼んでいた……。