午後の仕事
昼食を終えると、午後の仕込みになる。商品の陳列は終わったが、売れた商品の補充作業が待っている。メモがここで生きる。メモを片手に補充可能な商品名を書き写し、冷蔵庫から該当商品を補充していくはずだったが。字が汚すぎて読めない。商品がどこにあるのか見つけられない。と、発達障害特性出しまくりで難儀した。
少ししか台車に載せないでいたら、「真面目にやれ!」と叱られる。真面目にやっているのにふざけているように思われるのは、何が原因なのかわからない。皆同じ道を通るのか、それとも自分だけなのか。
冷蔵庫の中の商品は、シールで商品名がついているわけではないので、アジもホッケもニシンも開いた側から見たら区別がつかない。それ以前に魚の名称が分からない。シールを打ち出すときのコードナンバーがわからないと、わからない尽くしで混乱する。定型発達者は、難なく覚えているのだろうと思うと悔しい。
足りない商品は材料をパックして作り陳列する。その数はどうやって見極めているのか。今の自分にはわからないことばかりだ。無い商品は諦める。と思ったら、冷蔵庫にちゃんとあったりするので、本当に自分のサーチ力のなさに嫌気がさす。
一連の動作を見た上司は「動きに無駄が多い」と指摘していた。物忘れもそうだが、フットワークの悪さも関係しているのだろう。また、どこに何が陳列されているかがうろ覚えなので、売り場を行き来するとき効率的でないようだ。
補充の合間に、イカの皮むきまでやらされた。人一倍不器用な自分は、イカの肉まで剥いてボロボロにしてしまった。先輩も初めのうちは甘い顔を向けてくれるが、いずれ中々仕事に慣れない自分が出てきて、評価が変わる時が来ると思った。最悪、見捨てられるのだ。
パックをしたり補充をしたり、魚を捌いたりして一日が終わった。まだ新人だということで、予定より早く返してもらえるが、ジョブパートナーとの面談が待ち受けている。仕事上で上手くいかなかった問題点を書きだすように言われた。
何度も困っているのが、説明を聞いているうちに連想ゲームが始まって頭が空想に持っていかれること。覚えることが多いのに覚えられないこと。商品を探すのが下手でなかなか見つけられないこと。人一倍不器用で、魚がグズグズになってしまうことなどを話した。ジョブパートナーはそれらをまとめて、後日上司に伝えて指導法を考えてもらうとだけ告げた。
晴れて解放されて自由の身になったのだが。自分としては床に就く時間が早まったので、早く帰らねばならなかった。その前に朝食用の日持ちする食材を、コンビニに寄って調達しなければいけないと思った。なぜスーパーに寄らないかというと、不思議なもので、自分が所属する店での買い物は何か気恥ずかしく、落ち着いて選べないせいである。
外に出ると、雨はやんでいた。傘を折りたたんでかごに入れようとしてバッグをロッカーにいれたままにしていたことを思い出して、急いで取りに行った。その分ロスになったので、コンビニに寄るのはやめて店で菓子パンを買った。
寮に着いて夕食を取り、自宅で嫌だった仕事の勉強をする。そもそも、長文を読むのが嫌なので要点を見つけてそこだけ拾い読みをした。その態度が仕事がうまくいかない原因の一つだとわかっている。だけどやめられない。
飽きると聖書をめくる。今、キリストがいれば、自分のADHDやASDなんか軽く治してもらえるだろう。いや、待てよ。キリストの時代は障害になっていたのだろうか。性格で済んでいたのではないかと考えているうちに睡魔がやってきた。




