相談
残り半日を娯楽に充てようとしたら、ジョブパートナーから、「今後のことについて詳しい面談が必要だ」と言われて、意気消沈する。まず相談事はないかと言われて、不器用な自分には続けていけるか不安なことを伝えた。彼からは、「不器用さ以前にコミュニケーションに不具合が多いからすり合わせをする」と言われてしまった。上司の話によると、人の話を聞いていないことが多く、表情がないので真意をつかみずらいそうだ。
他にないかと言われて、「上司が怒りやすいので、叱責に弱いから何とかしてほしい」と伝えた。彼は急に困った顔をして、「昔の人だから叱って育てるというやり方にこだわっているかもしれない。急に変えることはできないが、パニックなどで効率が悪くなるなら、上司も教育法を変えていくだろう」と語っていた。
相談なしだと、一番嫌なスパルタ形式で鍛えられる可能性があるのが恐怖だった。ここにきてやっと、同室の高木氏が、起床時間に不満を持っているというのを思い出し話した。彼の話では、「今の寮だと通勤に不便だから、市場の近くに下宿を借りる方法をとるか、現行のまま相部屋の人に迷惑にならない時間帯に起きて、自転車などを利用して通うか、ADHDがあるようだけど、独り暮らしは大丈夫か?」と尋ねられて、「無理だと思います」と返事をしたら、自転車を手配してもらうから、それまでは相部屋の人に我慢してもらうように伝えておくと言っていた。
自転車でどの程度、通勤時間の短縮になるか聞いてみたら、「車には負けるが、30分程度だろう」と伝えられて、どっちにしても5時起きなのは変わらない計算になると伝えると「いずれ部屋を移れるように交渉する」と言われた。
結局半ドンが、2時間ずれみたいになってしまい。振動式の目覚まし時計を手に入れる必要もあり、所持金から払うことにしたので、本漁りはおあずけになった。予定の変更はあまり好きではないし、特に期待していた娯楽時間が消えることが腹立たしくて、ジョブパートナーの車で送ってもらったのに、感謝の言葉を伝えるのを忘れてしまった。
自室に戻り、高木氏には、「目覚まし時計は振動式に変えましたが、身支度などでご迷惑をおかけするかもしれません。お許しください」と謝罪含みで連絡しておいた。
「ああそれなら、ぼくは1時間早く寝ることにしたから、君も同じにしておいてくれよ」と言っていた。
自分もプリントを勉強する必要はあったが、大人しく従った方がいいと思い、重要そうなプリントだけ見て寝ることにする。
聖書を見たら「神はできない試練を与えない」みたいなことが書かれていた。生まれてこの方、できない試練だらけの人生だったような気がした。




