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remember  作者: 竹狐寒北
一章 始まりはずっとずっと、前のこと。
4/10

始まっていた→高校生活は!?その4

更新に1ヶ月くらいかかっとるわ、やっべ。

テストなんて...うわぁぁぁ!

気長に待っていてくださいね

「んっ...あ?」


俺は目を開ける。パチパチと瞬きをするが、周りに景色といえる景色はない。あるのは暗闇のみ。出口も見当たらないし、壁もなさそうだ。


一応自分のところにはライトのようなものが当たっていて、少し明るい。劇のスポットライトのように一点に集中して明るい。


他に何かがあるかもしれないが、見える範囲内では何も無く、分からない。


「どこだよ、ここ...。誰かいませんかー?」


問いてはみたが、返事はない。


――夏美は何処だ!?


返事がないということは、ここにはいないということか?どうすればいいんだ...?とりあえず周辺を散策してみるか。


俺は立ち上がる。そして、数歩歩く――


「痛っ!?」


何かに当たった、のか...?学校の時と同じ壁っぽいな。

これじゃ全然動きがとれないじゃないか。いつまでぼーっとしてなきゃならんのだよ。


...まぁ、そんなに時間は無いかもしれないのだが。


俺はなんとなく、壁らしき物をじっと見つめてみる。歪み、コンクリのように固く、アニメ的に言えば『結界』。


アニメや漫画が好きだということもあってか、結界というのが一番格好いいと思うし、しっくりくる。


「――ん?」


暗闇だからだろうか。ふと、壁――もとい結界に色があることに気付いた。シャボン玉の色みたいに、形は一定に保たれず、カラフルな色が歪みながら波うっていく。


といっても、色は全体的に薄めだが。じっと見て、やっと分かるくらいのレベル。


マジで結界っぽくね?


そんなことを考えながら、時間を過ごした。三十分ほど経過したくらいだろうか。


さっき俺を蹴った少女が現れた。小さなブラックホールのような、円形の空間から、すっと出て来た。


「ん...起きていたか...普通だったら数日は昏睡状態だぞ」


「は!?どういうことだよ!?」


「お前は普通ではないということだ。なにせ...いや、この話はいいか」


「気になる感じで終わらせんなっ!ってか、お前何者なんだよ!?」


ってか、普通じゃないって...意味分かんね。


すると何故か、無意識的に俺は立ち上がり、呟いた。


「...父、さん...」


一瞬、父さんの口から血を吐き出す姿が浮かぶ。それは、何処か懐かしい公園で――。


まさか、な。


この記憶も不確かだし、その前後も思い出せないし――


「まずいッ!おい、川崎康也!思考を停止しろ!それは夢だったんだ!」


「ゆ、夢...か。夢夢...」


夢、かよ。随分と酷い夢だな。

なぜこいつが、夢だと知っていたのかは考えなかった。

本能的にも思考停止を喚起していた。


「仕方ない、もう一度...」


彼女はそう呟いてから、結界に手を触れた。


「溶、けたのか?」


溶けたみたいに結界は消えた。そのかわり、黒い地面からは鎖が出てきて、俺の手足を拘束する。立ったまま身動きがとれなくなる。


『ゴキッ』と鈍い音がした。鎖が消える。


「また、かよ...うぇ」


彼女はまた蹴った。さっきよりも強く。再び意識は遠のいていく。


      ★

【蹴り女(妖幻)side】



やっぱり、あいつに似ていると思う。顔が、というのもあるとしても、性格としゃべり方が似ている。


そして、私は川崎康也の記憶を喰う。


彼の頭に指を触れる。私は目を閉じ、『妖幻』という文字を強くイメージする。それから、流れてくる映像から妖幻に関するものを選択。SDカードのようなものとして出てきたそれが、記憶――情報――の塊。


それを、喰う。SDカード的な物は光を放ち始め、その光が口に入っていく。喰った記憶が頭に刻まれることを確認。


「これで終わ――――ッ!?」


『バリンッ』

「あちゃ、遅かったかーどーしよ」


ガラスが割れるような音と共に、二人の少女が見えた。


暗闇の異空間である、人間なら接触も発見も出来ないはずの空間を壊しやがった。


「どうやって来た?」


「うーん、そだねー。超能力かな☆」


「そう。その通り。ズバリその通り。素晴らしい能力。すごーい能力、使った」

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