始まっていた→高校生活は!?
初投稿なので分からないことだらけですが頑張ります
プロローグ
ある日の、おつかいの帰り。
拾ったどんくりを眺めながら、中二の少年が歩いていた。
――と、その少年の前を歩いていた別の少年から、お腹の鳴る音が聞こえた。
彼は、「食い物ォォ」と唸っていた。さすがに無視したら可哀想かと思い、おつかい帰りの少年は前を歩いる少年の肩を叩き、
「腹へってんのか?いる?」
とモナカアイスとミネラルウォーターを差し出す。
「!?いいんですか...?」
「お、おう」
彼の瞳は大きく見開かれ、笑顔を見せた。
とりあえず、たまたま近くにあった公園の階段に腰掛けた。
「美味しい!ありがとうございます。何も持っていなくて...」
「そりゃ良かったな。――そうだ、君は今何歳?名前は?」
「僕は小山叶多。年齢は同じ位だと思います」
「思います、っていうのが少し気になるが...別にいいか。あ、同い年位なんだし、敬語じゃあなくていいからな」
「分かった!じゃあ、君の名前教えて?」
「俺は―――(名前)、だ」
「よろしくね!」
「おう!」
それから毎日放課後会うようになった。彼との雑談は面白かった。楽しかった。
そういえば、当時はあまり気にしなかったが、叶多は学校の話は全然しなかった。何かあったのだろうか...あえて触れなかった。
初めて会った日から一ヶ月。
「ねえ、僕らって友達ってやつなの?そうだけど嬉しいんだけど」
叶多が地面を見つめながら言った。
「当たり前だ!友達の中の友達、そうだな...ビッグフレンド、略してビーフだ!」
二人は顔を見合わせて、笑った。中学生とは思えない適当な英語と、出会えた奇跡と、話している楽しさに、笑った。
次の日から、叶多は来なくなった。家の事も全然知らなかったため、連絡は勿論、お互いに会えなくなってしまった。
一話「始まっていたんだ→高校生活は!?」
『キーンコーンカーンコーン』
「さ、帰るか」と、鞄を手に取り、すたすたと教室を出る。昼食後に掃除がある学校はすぐ帰れて楽だな。
部活には一応、伝説の文芸部に入っているが、文化祭位しか強制執筆の部活は無いため、ほとんどの文芸部員は帰宅部状態である。
『ドドドドドッ』
「待ちなさ~いっ!康也!」
「...なんだよ」
嫌な顔をして、帰らせろとアピールしつつ、声をかけた人物――幼なじみの草川夏美の方に振り返る。
「む。そんな顔しても無駄だ!早く日直の仕事をしろ!ほとんど私がやってやるから、このプリントを職員室に届けるのだ!さあ行け、発進だ!川崎康也よ!」
ロボかよ...。プリントと言葉を残し、彼女は教室へ戻っていった。
「めんど...よし、職員室、行こう」
そう独り言を呟き、鞄を自分の机に一度置いてから、歩き始める。
STが終わってからそんなに時間は経ってない筈だが、人が全然いない。職員室に行っても、先生は一人もいない。
担任の机にプリントを置き、荷物を取りに教室へ。教室に行く途中には昇降口があり、皆の靴を確認してみる。
夏美と俺以外誰もいない。何でこんなに人が全然いないんだ?部活は...そうだ、二週間に一回の部活休みデーだった。朝も午後も部活が休みになる日である。だからといっても、静か過ぎるきがするが……。
「.....?」
気がつくと、目の前の空間が歪んでいた。触れてみると、コンクリートのように固かった。背筋もビクビクしてきた。するとか突然、
『こっち、だよ。こっち』
という声が頭に響き、何度も繰り返された。
「!?」
俺は、無意識に声の呼ぶ方へとぼとぼと歩いていく。頭がぼんやりとしていく。声は角の教室(俺の教室の隣)から聞こえてくる気がした。