銀貨をきみに捧ぐ
なぜ きみは振り向いてくれないのだろう
こんなに想って
こんなに願って
こんなに銀貨を注ぎ込んで
なのにきみは
まるで私を嘲笑うように
姿を現してさえくれない
きみの影が映っても
それは私の欲しいきみではなかった
欲しくなかったきみに落胆する
そんな私は身勝手で
それでもきみが欲しいから
次から次に銀貨を投下する
ねえ
きみはどうして振り向いてくれないの?
私はただ
もっと強い もっと美しい
そんなきみが欲しいだけなのに
きみが欲しい だから私は
今ここにある ありったけの銀貨を
きみに捧げるように入れ続けるのだ
こんにちは、葵枝燕です。
『銀貨をきみに捧ぐ』、読んでくださりありがとうございます。
読んでいてわかった方もいるでしょうけれど、一応解説を。
私は、二〇一五年冬頃から「オトカドール」という女の子向けのカード&リズムゲームにハマりまして。その中で私が一番好きなキャラが、ライバルキャラ(簡単にいうと、敵キャラですね)のアシディアという子なんです。人見知りで引きこもりで、それなのに大ダメージを与える攻撃型のスキル持ちという、敵としては厄介な子です。そんな彼女のライバルカード(マイキャラの代わりに、ライバルキャラを使って戦うことができるカードです)が欲しくて欲しくて、何度もカードを引くのですが、ノーマルとかレアしか来なくて……。
そんな私の物欲センサーが強いのか……と思いながら、こんなの書いてみました。だから、「きみ」=アシディアで、「銀貨」=百円硬貨――という蓋を開ければ下らない感じのね、そういう作品です。
あんまり話すと読者に引かれる危険性があるので、これくらいにしておきます。自分でも引きそうだし……やめておきましょう。
とりあえず、一番言いたいことは「推しメンは振り向いてくれない!」ということです。
読んでくださり、ありがとうございました!!