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生ける伝説3人の会合、魔王復活の噂

 ここはロケール王国の辺境にある平和な村ラズール。

 60年前に突然現れた魔王を倒した勇者の出身地であり、その仲間たちが住んでいる地でもある。

 倒した直後は観光客が大勢来てごった返していたが、何十年とたった現在ではほとんど人も来なくなってしまっていた。


 そんな村に嫌なうわさが入ってきた。


 魔王が復活したらしい


 こんな辺境の村に入ってくるということは噂はかなり広まっているということだ。


 村の民家の一つで会議が行われていた。

 中では3人の老人たちが丸い机を囲み真剣な面持ちで話している。


「そんな馬鹿なことがあるはずがない!!!」


「確かに倒したはず――」


「奴は不老不死だから復活したんじゃないのか・・・・・・?」


「いや、勇者の剣は不死属性無効化が付与された伝説の剣だったはずだ。」


「じゃあ、なんで――」


「わからないが、もしかすると復活させたやつがいるんじゃないのか?」


「馬鹿な・・・・・・っ!!!」


「世界を転覆させる力を持った恐怖の大王だぞ!」


「・・・・・・」


 皆一様に魔王が復活したことが信じられずにいた。

 話をしている彼らは魔王を倒した伝説の勇者の一行である。

 国内でも最高峰の戦士・魔法使い・僧侶だった人物たちだ。


 そのうちの一人、身長が齢十程の子供二人分はあろうかというくらいの身長のガタイのいい男――彼こそかつての剣士で数々の闘技大会で優勝していたほどの腕前を持つ。必殺技は怒竜潜グランダイバーで一撃で竜を消し飛ばすほどの火力で地面をたたきつけ大爆風を起こす大技である。あまりにも範囲が広く高火力なので使うのがはばかれる技だがかつての旅の終盤の魔界で出てきた人間の倒せる領域をはるかに超えた強さの敵と戦いピンチになった時、その窮地を何度も救ってきた。


 その右隣にいる、まるで子供のような身長の老婆はかつての魔法使いである。彼女は、世界の果てに住んでいた。なぜそんなところに住んでいたかというと、その世界の常識である魔法理論と彼女の理論が大きく逸脱していたためである。通常の魔法理論では人類という種の繁栄のために使うという大原則がある。一方で彼女の魔法理論はというと世界で最大最強の魔法を死ぬまでに完成させることだけを追求するというものであったために迫害されてしまったのだ。そもそも、魔王討伐に参加したのも、魔王の世界を転覆させるというほどの魔法を見て自分の魔法研究に活かすためであった。しかし、魔王の魔法はは魔界の民特有の膨大な魔力量によって単純な魔法の火力をあげるというためのものであった。そのため残念なことに、最大最強のその魔法はついぞ作ることはできなかった。最強であるはずの魔王を倒してしまい、研究に対する熱意が冷めてしまったために今までの研究をを書物に書き記し娘に託し隠居した。


 そのまた隣にいるのはかつてはイケメンだったであろう、ダンディな顔をした僧侶である。彼は非常にやさしく頼まれごとが断れない性格であった。そのために、複数の女性から告白されて全員にオーケーを出してしまっていた。そのことで結構な数もめ事になって、協会に迷惑をかけていた。そのことを気に病んで自ら旅に出た。そこを勇者と出会い魔王を放っておけないと旅に加わったのだ。

 実の所、協会はそんなに困っていなかったというかむしろ出ていかれて女性の信者が激減してしまい協会の経営が立ち行かなくなったのだ。

 そんな彼は特別な魔法が使えるわけではない。そんな彼だが、勇者一行の旅では一番役に立っていたといっても過言ではない。道端での回復はもちろんとして、宿代、食事代、教会での治療費、その他諸々の金銭面がほとんど無料になっていたのだ。


 実はこの世界・・・・・・

 いやこれは後々語ってもらうとしよう――


「とりあえず、俺の子をを調査に向かわせよう、俺直々に俺の必殺技を仕込んであるから心配ないだろうからなわっはっは!」


「っふっふっふ――あなたの子供なんて比にならないくらいに私の娘は強いわよ、なんたって私の研究成果を書き溜めた本に書いてある魔法を半分は使えるんだから。」


「ま、まって・・・・・・二人ともいくら何でも子供たちを行かせるのは危険すぎないかい?国の調査隊が成果を上げるまで待って――」


「ああん?!そんなこと言って魔王が復活してたら調査隊は全滅させられちまうぞ!それどころかブチ切れられて人類を滅ぼされかねないぞ!!!」


「そうよ、それに娘にお使いを頼みたいのよ、あの時は呆然としていて書庫を漁らなかったけどもしかしたら古代の魔術とかの本がるかもしれないじゃない?最近読む本がなくてひまだからそれを取ってきてほしいんだけど、調査隊が入ったら回収されちゃうじゃないそれで危険な書物として処分されかねないわ!」


「仕方ないなぁ――二人の子供たちだけじゃあ不安だから僕も行くよ」


「無理すんじゃねぇよ、お前は特にボロボロじゃねぇか、魔王にやられた傷が痛んでるのは知ってるぜ。」


「な、なんでそれを・・・・・・」


「私たちが気づかないと思う?何年間一緒に生活してきたと思ってるのよ・・・・・・もう!!!」




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