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冒険者ギルドが書きたくて。

投稿間隔を少しずつ開けて行って週一投稿目指します。




冒険者ギルドに着いた。

外装は他の建物と大差ない木とレンガの建物。

中は、半分が冒険者用の受付やクエストボード、冒険必需アイテムの売店の様になっており、もう半分が完全に酒場の様な所になっていた。

全体的な広さは結構ある。この空間だけでも250㎡はあるんじゃないだろうか。ギルドの受付の奥の方にも部屋は複数あるみたいだから本当はもっと広いのだろうが。


「なんか、如何にも冒険者ギルドって感じだな。漫画とかで見そうな」

「まあ、街によってはその雰囲気も見た目も違ったりするんだけどね。王都の方だと大理石の壁や床に受付と売店があるだけだし。ほとんどが高レベル冒険者への指名依頼だからクエストボードがないのよ」

「へー、それじゃあ王都の冒険者は強いのか」


そうかそうか。王都には近付かないようにしよう。


「てか、今更だけどお前のその姿誰かに見られたりして大丈夫なのか?」

「あー、私の姿はあんたにしか見えないわよ。まあ、見せる事もできるけど、一応にも女神なわけだし協会では私の偶像が祀られてたりするから常に消してるの」

「そうなのか。ん?それだと俺って一人で勝手に喋ってる変な奴に見えないか!?」

「そうね。さっきから時々変な目で見られるのはそれよ」


いやいや、先に言えよ。とは思うが、聞かなかった俺も悪いか。

二人が冒険者ギルドの入り口で突っ立っていると、酒場の方から体の大きな冒険者であろう男が近付いてくる。

これはまさか、ライトノベルや少年漫画で定番の主人公の強さを証明する為の当て馬冒険者なのでは!?ここに来てテンプレかよ神様!いや、女神はすぐ後ろで空中に浮いているんだけれども!

ついに目の前まで来た冒険者が、こちらの顔を覗き込んで来る。近くで見ると案外怖いお顔なのですね。わたくし生身の地球人でとっても弱いので絡まないで頂きたく思う所存です!見逃してください!!


「-----?------!?---!」


え、ごめんなさい。なんて喋ったんですか!?

冒険者の喋った言語は予想通り日本語ではなかった。


「あー、そう言えば通訳しなきゃいけないのよね。こいつは『どうした坊主?依頼にでも来たのか!?俺が案内してやんよ!』って言ってるわ」

「え、こいつ喧嘩売りに来たんじゃないの?めっちゃビビってたんだけど。てか、俺この世界の言語喋れないんだけど」


この世界の言語を知らないクスノキは目の前の冒険者に聞こえないように、幼女に小声で抗議する。


「今みたいに小声で喋ってくれれば私が念話で直接伝えるわ。念話なら十分誤魔化せるだろうし」

「あー、じゃあよろしく頼む」


クスノキの反応がなかったせいで、冒険者の男の動きが止まってしまっている。

早く何か反応しないと、折角の好意を無視したとかでいちゃもん付けられそうだ。いや、そこまで短気な人かは分からないけどさ。


「じゃあ、とりあえず登録しに来ただけだから案内は要らないって伝えてくれ」

「おっけー」


幼女が冒険者に念話で話かけたのだろう。冒険者の表情が訝しいものに変わる。

まあ、そりゃ急に念話で話しかけられたら不思議に思うだろうな。念話がどの様なものか知らないが。


「『お前、念話が使えるのか!?』だって」

「あ、念話は珍しいのか?まあ、障害で声が出せないから覚えたとか適当に説明しといてくれ」


この世界の常識を知らない俺としては、この世界を熟知しているであろう幼女にその辺は任せる。


『ああ、そう言うことか。念話は最低でも8年以上の修行を積まないと習得できないと聞いていたから驚いた』


お、おう?念話ってそんな大変なスキルなのか?

まあ、生まれた時から喋れなくてずっと修行してたって設定なら通るのか?


『それにしても坊主、女みたいな声だな。それでもまだ少し高いから子供の声か?』


おいおい幼女!そのまま喋ってるのかよ!

念話にはボイスチェンジャー機能みたいなのないんですか幼女様!?もっと気を利かせてください!

まあ、念話の取得条件がそこまで厳しいなら念話について詳しいやつもそう多くはないだろう。適当に誤魔化すか。


「ああ、小さな頃から使っているから幼いままなんだ。念話に声変わりはないだろ?」

『そうなのか。まあ、意思疎通は出来るみたいだし大丈夫だな。冒険者登録ならあそこの受付の左から3つまでならどこでもやってくれる。頑張れよ』


そう言い残して、厳つくも優しい冒険者は酒場の方へと戻っていく。

おー、良かった!なんとか現地人とのファーストコンタクトクリアだ。てか、念話に声変わりがないのかどうかなんて知らないが、幼女が訂正しなかったって事は間違ってはないのか。

クスノキは自分の座っていた席へと戻り、酒を飲み始める先ほどの冒険者を横目に、先ほど教えて貰ったギルド受付の方へと歩いて行く。


「すみません。冒険者登録したいんですけど」

『え?あ、念話ですか。えっと、念話を使用しているのはあなたで合っていますか?』


幼女の声の念話に違和感を覚えながらも、周囲にいるのはクスノキしかいなかったので、受付の職員が戸惑いながらも訪ねてくる。

とりあえず、首を縦に振って頷いておく。


『冒険者登録でしたね。では、こちらの紙にお名前とジョブを記入してください』


再度来ました言語の壁。言語ってのは喋れて聞けて書けてワンセット。

異世界の文字なんか書ける訳がない。


「あ、文字も書かなきゃだったわね。念写のスキルで文字も書けるし任せなさい!」

「そうなのか?なら頼む」


また少しの間止まってしまっていたせいで、文字が書けないのかと心配した職員が『代筆サービスも実施しておりますが?』と聞いて来たが、それより一瞬早く、幼女の念写スキルが発動し、登録用紙に燃える様に文字が焼き付けられて行く。


『……念写ですか。すごいスキルをお持ちなのですね』


念写もすごいスキルなのか。まあ、それがないと生きていけない環境だったんだよきっと設定上の俺は。

受付のギルド職員は念写で書かれた書類を手に取り、その内容を確認する。

そして、その顔に怪訝な表情が見え隠れするが、仕事が出来る人なのだろう。すぐにキリッとした表情に戻り仕事を進める。


『えっと、ご記入内容の確認をいたします。お名前が、Role・Minorロール・マイナーさん。職業が、雑用係?サポート職の事でしょうか』


いやいやいやいや!待って!?良くない良くない!

ロール・マイナーってなんだよ!コレminor roleだろ?日本語訳で脇役じゃねぇか!それに職業が雑用係ってなに!?サポート職?サポーティングロール《訳:脇役》と掛けてんの?要らないから!そう言う洒落とか要らないからね!?


『それで合ってます』


おいおい幼女!?合ってないからね!?

なに勝手に念話で返事してんだよ!したよね?今返事しちゃったよね!?

え、てかなんでわざわざ俺にも聞こえる様に口で言ったの?わざと!?わざとかお前!!

訂正したいけど言葉の壁が!言語の壁恐ろしい!!


と、少し荒ぶり過ぎたがなんとか冒険者登録は出来た。

いや、名前あのままだけどさ。ついでに職業もあのままだけどさ。

サポート職と言うのは冒険者の中でも少ない戦闘職らしい。何をするかと言えば、冒険に必要なアイテムを大きなカバンに持ち、倒した魔物を解体し、パーティーメンバーの飯を作り、未探査のダンジョンなどの地図を書き、野営の際はテントを張る。まさに雑用係。だから冒険者の中でも陰ではサポート職は雑用係と呼ばれている。中には鍛冶や裁縫も出来るサポート職もいるらしく、そういう人は厚遇されているらしい。だが、サポート職自体不人気職で、全体数も少ないようで、厚遇されている優秀なサポート職なんて数えられる程度しかいないらしい。


名前と職業は置いておくとして、まずは何か依頼を受けたい。

正直、パーティーに入らなければ名前はともかく職業は関係無い様だし。まあ、依頼によっては条件に職業が入って来る事があるのだが。


「なにか割の良い、俺でも出来る依頼はないかなー」

「あ、これとか良いんじゃない?迷宮の探索!サポート職募集だって!」

「いや、サポート職じゃなくもっと他の……」


そんな風に依頼掲示板で依頼を探していると、入り口辺りの方が騒がしくなってくる。

なにかと思いそちらに目をやると、そこには少なからず人だかりが出来ていた。


『な、なにすんだテメェ!!』

『お前がミリアやカティナに変な色目使うからだろ?彼女達が嫌がっている。パーティーメンバーの俺としては仲間が嫌がる事をする輩は見逃せないな』

『ちょっと声を掛けて遊びに誘っただけだろうが!』

『そう言う軟派な行為が彼女達を困らせているんだろう?彼女達に謝って立ち去れ』


人込みの近くまで行って様子を見てみると、地面に倒れ見上げる様に抗議する冒険者の男と、それを見下ろし、すごい険相で冒険者を見下ろす、三人の女に囲まれた男の冒険者がいた。


「そうしたんだ?」

『今地面に転がってる方の冒険者が、あの男の冒険者の周りに一緒にいる女の冒険者達にちょっかいをかけたらしいぞ』


お、おう?独り言だったつもりが、幼女が勝手に近くにいる人に念話で質問したらしい。てか、あんたギルドに入ってきた時に最初に声を掛けてきた良いおっさんじゃないか。


「そうなのか?てか、あんた名前を聞くの忘れてたな。なんて名前なんだ?」

『ん、俺か?俺はバルロダだ。坊主はなんて言うんだ?』


これはどの名前で名乗るべきなのだろう。やはり冒険者登録した名前の方がいいのだろうか。


『ロールってのか!しかも家名持ちとは、坊主は貴族の出なのか?』


って、勝手に答えるなよ幼女!まあ、その名前で名乗る予定ではあったし、大丈夫なのだが。


『そうか。実家が没落したのか…それは災難だったな…』


え?いやいや、勝手に話進めないでもらえませんか女神さま?


『おう、そうか。なら宜しくな。明日の朝にまたギルドまで来てくれ』


ちょっと待って!本当に待ってください幼女様!?

え、今の会話で何が決まったの?明日の朝にギルド?何の約束してんの!?


「ロール!受ける依頼が決まったわよ!」

「いや、なんでそうなったんだよ!てか、何話してたんだ?」

「そんなの依頼の話に決まってるじゃない!あんた気付いてなかったの?さっきのサポート職の依頼の依頼人がさっきのバルロダよ。依頼書に書いてあったでしょ?」

「いや、俺文字読めないからね!?」


てか、呼び方はその名前なのね。

そうか。つまり明日の朝ってのは依頼の仕事の時間なのか。


「てか、俺サポート職の仕事なんも分かんないし装備もないんだけど!?」


今更ながら装備を確認してみても、街中の一般人が着ているような生活用の服装だ。どう見ても冒険出来るような恰好ではない。


「大丈夫よ!この後、装備とか必需品とか買いに行けばいいんだし!お金なら本来転生者に最初に与えられる分くらいなら出すわ!」

「ならいいけど、仕事内容の方がまだいまいち把握出来てないし」

「まあ、なんとかなるわ!」


幼女とそんなやり取りをしているうちにも、何やら揉めていた冒険者の方の状況は続いていた。いや、もう終わるか。

倒れていた方の冒険者が剣を抜いた様で決闘が始まってしまっていたらしい。周りで賭け事の様な事も始まっている。

そして今、ちょうど倒れていた方の冒険者の剣が宙を舞い、天井に突き刺さる。


『これで終わりだな。で、どうするんだ?』

『くそっ!覚えてやがれ!』


負けた方の冒険者がそのまま尻尾を巻いて逃げていった。

それにしても強いな。剣と魔法の世界らしいしそれなりに凄いのだろうとは思っていたが、それにしても強い。負けた方の冒険者でも剣道で言えば五段程度の強さはありそうだったのにそれに圧勝していたハーレム冒険者の方は化け物なのではないだろうか。


「この世界のやつって大抵あのレベルの強さなのか?」

「あー、あいつは特別よ。だってあいつも転生者ですもの」

「え?あいつ転生者なの!?見た目思いっきり西洋人ってかこの街の人と一緒なんだけど!?」


転生者って事は同郷の人なのか。後で声でも掛けてみようかな。

そう思ったのも束の間。その後の彼らのやり取りを見てその考えは完全に失せた。


『終わったぜ。これだけアピールしとけばもう大丈夫だろう』

『遅ぇんだよ!もっとパッパと片付けろよ使えねぇな』

『まあ、いいでわないですか。こうしてしっかりとゴミも追い払ってくれたのですし。後でご褒美に鞭で甚振って差し上げますわ』

『ありがとうございまぁぁぁぁっす!!』

『ルイース。なんで殺さなかったのです?あいつ私の胸を見てナンパ対象から除外したのです。死すべきなのです。なんで殺さなかったのです?代わりにルイース殺すのです。覚えてろなのです』

『ありがとうございまぁぁぁぁぁぁっす!!』


うん、関わるべきじゃないな。関わりたくない。





プロット作ってないので矛盾が生じるかもですけど無視しますね。

戦闘描写の練習用に書いてるので……。

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