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転生主人公が書きたくて。

戦闘描写の練習の為に書いている作品です。

———死にたくない。


———まだ、死ねない。俺は死ねないんだ。








視覚情報は届いていた。

けど、意識が飛んでいたようで、自分の状況を上手く理解できていなかった。

気が付くと仰向けに寝ていた。天井は……、見えないがどうやら外ではないようだ。


「あ、気が付いたみたいだねー!おはよー!」


そこには幼女がいた。身長は120センチ前後、ロングの金髪にツンとした藍眼の瞳、口を開くたびに見える少し出た八重歯、尖がったエルフの様な耳。幼女がいた。幼女だった。幼女がいたんだ!幼女だったんだ!落ち着けよ俺!!


「え、気付いてるよね!?気付いてる!?」


視界を右へ左へと交互に揺れる幼女の手のひら。小さいながらもきめ細かい肌はキレイだった。と、見惚れて反応を返すのを忘れていた。


「あ、ごめんごめん。てか、誰?」

「おぉ!気付いたのね!あ、私は女神!見て分からない?」


そう言われ、その幼女の外見を再度確認する。

全体的に見れば赤色。子供用の小さな赤いコートに同色のニット帽を被っている。スカートは赤と黒のチェック柄で履いているのは黒ニーソ。黒ニーソ!靴は薄茶色のブーツの様なモノだった。うん、見て分からない。


「えっと、……今からデートにでも行くのか?」

「いやいや、行かないから!てか、あんた以外にもまだ他の死人の相手しなきゃいけないんだし!彼氏がいないとは言わないけど!いるわけでもないけど!」

「死人?……え、まさか俺も死んだの!?」

「あーそうそう、そこから言わなきゃね!あんたはさっき死んだの!ほらその証拠にこの通り今も魂だけになってて体がないでしょ?」

「まじかよ…………って、え?体あるくない?」

「え?」


幼女の表情が固まる。え、どうしたの?


「いや、そんな訳ないじゃん!死人は体と魂が分離して、魂だけが輪廻転生で再利用できるゴミの様にリサイクルされるんだから!」


そう言って幼女は確認するように俺の体を幼女ハンドでバシバシしてくる。痛い。

そして、その表情は信じられないものを見たかの様なものに変わっていく。


「え、マジであるじゃない!?どうすんの?どうすんのよコレ!?」

「……なにか不味いのか?」

「不味いに決まってるじゃん!普通は魂だけがこっちに来て体は別の作るの!ケータイで言えばデータは引き継いで本体は交換する様なもんよ!世界によっては仕様が違うんだから!あいぽんじゃあんどろさんのサービスは受けられないでしょ!」

「うん、よく分からんがなんか不味いらしいな」

「ほんとどうすんのよコレ!?そうすればいいの!?————あ、そうよ!こう言う時のためにマニュアルがあったはずだわ!」


何か解決策に気付いた様に幼女が拳を手のひらにポンッと打ち、空中から分厚い本を出してくる。

その本をパラパラとめくり、何かの項目を探すこと約五分。「あった!見つけたわ!」とか叫びながら、まるで愛しの王子様に出会ったヒロインのような表情を浮かべる。擬態語で表すなら『パアアア!』だろうか。眩しい。


「これよこれ!『ミスって体ごと昇天しちゃった奴の正しい転生のさせ方』!!」

「それほんとにマニュアルかよ………項目のラフさからすでにダメダメ感が溢れだしてんだけど……」

「えーっと、パターン1!『もうそのまま転生させたらいいんじゃね?転生の渦の中で魂に体が付いて来れずに多分剥がれるだろうし』と!これか!」

「いや、マジでそれマニュアルなのか!?投げやり感半端ないんだけど!?」


解決策を見つけた幼女はハイだったテンションが戻りハイテンションになる。あ、戻ってないか。てかずっとハイテンションだな、幼女。子供は元気が一番だけどさ…。


「よーし!さっさと転生させちゃうわよ!もうなんか疲れたわ!」

「大してなんもしてないけどな!」

「あ、そう言えばあんた名前なんだっけ?」

「ん?あー名前か。脇屋 楠ワキヤクスノキだ。」

「え?脇役好き?確かに脇役っぽい顔よね」

「いや、違うからな!?てかそれ酷過ぎね!?」


そんな話をしているうちに転生の準備が整ったらしく、床に魔法陣のようなものが浮かび上がってくる。

それが次第に強い光を放ち始め、視界がその光に埋め尽くされ行く。


「まあ、転生してからするべき行動は恩恵としてステータス画面で見れるようにしておいたから」

「ステータス!?まさか魔法とかもあるのか!?」

「あ、そこらへんも行ってみれば分かると思うけど、一応は剣と魔法の世界よ。あ、そろそろね。じゃあ行ってらっしゃい!」


その幼女の声を最後に、視界は光で埋め尽くされ真っ白になり、音も聞こえなくなっていく。

あ、そう言えば名前聞くの忘れたな。










古いテレビの電源を入れたばかりの画面の様に、一瞬視界が瞬き、視覚情報が脳へと伝わってくる。

そこは街だった。人がごった返し、店の客寄せが声を張り上げる。土が平らになっただけの、素っ気無い道を、多くの人が行き来する。

文明レベルはそこまで高くはないのか?だが、魔法と言う不確定要素がある以上はどの様に文化が発達しているか分からない。


「ここは…、グハッ!?」


急に息が詰まる。喉の奥が塞がれた様な感覚、その直後に口から何かが溢れ出す様に込み上げてくる。

錆びた鉄の匂いと似た味。


「血……!?」


溢れ出した血が口から溢れ、地面を赤く染める。

それだけじゃない。目が痛い。耳鳴りが五月蠅い。関節が、内臓が、肌全体が痛い。

気が付けば至る所から出血している。目から血が流れ、耳から血が滴り、鼻から血が垂れる。肌が裂け、また出血する。


———痛い。痛い、痛い痛い!!


「死にたく…な……」


ドサリと言う音と共に身体に衝撃が伝わる。

俺は倒れてしまったらしい。俺は、死んでしまったらしい。








意味不明ですか。分かります。

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