表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/21

第五話 ユズキの手作りカレー

 私は、頭痛で目が覚めた。

 それにしても、何で自分の部屋に居るのかがわからない。

 両親は海外出張でいないはずだから、帰られるわけが無い。

 確か私は放送室に居て、机の上のチョコレートを食べて、その後に眠くなって・・・。

 眠くなったあたりから、記憶が途切れている。

 私はベッドから起き上がり、時計を見た。・・・もうすでに、学校の門が閉じている時間帯だ。

 私は諦めて、漫画を引っ張り出した。随分と古い漫画だが、結構笑える。

 私が漫画で笑っているときだった。

 

 「ゥアハハハハハハ!!」

 

 さっきもお話した通り、両親は海外出張でいなく、私一人なのです・・・一人なはず。

 私は用心深く階段を下り、手には木刀を持っていった。

 そこに居たのは、恐れ多き理事長の息子率いる部員たちだった。

 「杏仁!おきたか!」と、マキ先輩。

 「ゥアハハハハハ!!見ろ杏仁!マイケルが・・・マイケルが・・・ゥアハハハ!!」と、カイ先輩。

 「杏仁さぁん、お菓子ないのぉ〜?」と、楓先輩。

 「杏仁!今日の晩飯は何だ?」と、カオル先輩。

 「杏仁!ロデオボー○は無いのか!?」と、冬馬先輩。

 「杏仁・・・すしの出前を・・・」と、欅先輩。

 「・・・・何やってんですか!不法侵入ですよ!それと、カイ先輩もマイケルとジャクソン君の漫画をしまってください!」

 皆、やりたい放題。

 それに、散らかし放題。

 「杏仁さん、お菓子・・・」

 「黙ってください」

 私は楓先輩に軽く笑いかけた。

 「自分の食べたいものとかを要求する前に!散らかしたもの片付けてください!!」

 「えー」と、部員(欅先輩除く)。

 「片付けないと、家からつまみ出しますよ?」

 私が言うと、部員たち(今度は欅先輩介入)は部屋を片付け始めた。

 「あと、晩御飯は私が作りますから。できるまで待っててください。」

 楓先輩とマキ先輩が目を輝かせた。

 私はキッチンへ向かい、簡単なカレーでも作ることにした。

 幸い、材料は冷蔵庫にすべて入っていたので、私は早速きり始めた。

 「あっ」

 しまった。野菜を千切りにしてしまった。

 「ああっ」

 しまった。肉を焼いてしまった。

 「あああっ」

 しまった。ルーを全部入れてしまった。

 「ああああっ」

 しまった。カレーのそこが焦げてしまった。

 

 そんなこんなで、私の手作りカレーが出来上がった。

 「はい!召し上がれ〜」

 マキ先輩たちは怪訝そうな顔をして、カレーの入った皿を覗き込んだ。

 「おい、杏仁・・・イモ、ちゃんと入れたか?」と、マキ先輩。

 「え?入れましたよ?もしかしてとけちゃってます?」

 「おい、杏仁・・・・カレーに油が浮いてるけど・・・」と、カオル先輩。

 「あー、お肉、間違えて焼いちゃったんですよ。」

 「杏仁・・・カレーがすごくドロドロだけど」と、カイ先輩。

 「あー、ルー全部入れちゃったんですよ。」

 「杏仁・・・このカレー、苦いぞ」と、冬馬先輩。

 「あー、焦がしちゃったんですよ。文句あるなら、食べなくていいですよー」

 「いえ!ないです!」と、部員たち。

 私はおいしそうに(無理してる)食べてくれる先輩たちを見守っていた・・・。

 

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ