第十三話 いじめる奴はフルボッコ
「先輩方〜、起きてください!朝ごはんできてますよー」
日曜日の朝八時。
朝ごはんのホットサンドの香りが、二階に充満している。
「今日はホットサンドぉ?」と、楓先輩。
「おめでとうございます。大正解です。私が全部作ったんですよー」
「ぇ・・・全部、っスか?」と、カイ先輩。
「えぇ。昨日、お姉ちゃんに教えてもらったんで、うまくできたんですよ。」
マキ先輩がいきなり立ち上がった。
「何をモタモタしている!さっさと着替えてホットサンドを食べに行くぞー!」
「おー!」と、楓先輩。
「・・・じゃあ、早く来てくださいね。冷えちゃいますから」
私は、先輩たちの寝ていた部屋からでて、階段を下りた。
「ユズキ・・・」と、お姉ちゃん。
「?何?」
お姉ちゃんは、テーブルの上のホットサンドを指差して言った。
「何やねん、あの炭のカタマリは・・・」
「失礼ね!あれはホットサンド!見た目はあれだけど、味はおいしいんだから!」
「自分の味覚、信じられへん・・・。ま、問題は味やからな。」
その時、階段を下りてくる音がした。
「安藤さ〜ん・・・ホットサンドというのはどちらに・・・」と、藤山。
「あぁ・・・ホットサンドはテーブルの上に・・・」
「どれですか?」
私は、ホットサンドを指差して言った。
「これ。」
「・・・・ぇ?」と、藤山。
藤山はしばらく、目をこすったりしていたが、もう一度私に聞いてきた。
「ホットサンドは、どれですか?」
「これ。」
「・・・え〜と〜・・・この炭のカタマリが、ですか?」と、藤山。
私は藤山の腹にパンチをめり込ませた。
「失礼ね!ホットサンドだって言ってんだろうがぁぁ」
「グッハッ、ぶうぅぇっ」
そこに、先輩方計六人がやってきた。
「おぅ杏仁!ホットサンドはどれだ?」と、冬馬先輩。
「ぇ?テーブルの上にありますよ?」
「?どれだ?杏仁」と、カオル先輩。
「えっと・・・これです」
私はテーブルの近くまで行って、指差した。
「・・・・もしかして・・・これ、か?」と、マキ先輩。
「はい。」
「えーと・・・この炭のカタマリが・・・」と、カイ先輩。
私はカイ先輩にパンチを食らわせた。
「ホットサンドにみえなくてすみませんねぇ〜・・・人が気にしていることでいじめるのやめてくれませんか?」
「ひっ・・・ごめんなさい、すみません!本当すみませんでした!」と、カイ先輩。
私は、残る先輩たちに振り向いた。
「あ、こっちは取り込んでますので。気にせず食事をしてください」
欅先輩が、言った。
「この炭のカタマリを食べるのか?」
欅先輩の断末魔の叫び声は、日本の一部に響いた。