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みえすぎちゃってこまるの

 ――かぼちゃぱんつになって、結構な月日がたった。


 カレンダーとかそれっぽいもの見当たらないし、割と温暖な気候がずーっと続いてるので季節の変わり目とかもはっきりしないからよくわからないんだが、たぶん二年か三年かは経ったんじゃないだろうか。

 さっちゃんは赤ん坊から幼女にクラスチェンジして、元気に俺を穿いたまま駆け回っている。

まだまだ守備範囲外だけど、十年後が期待できるかわいさだ。

 大分おしゃべりもできるようになって、ママさんと楽しい毎日を過ごしている。

 ママさんも相変わらずの美少女ではあるけれど、見た目の幼さが抜けてだいぶママっぽくなってきた。十五、六ぽかったから、今二十歳前くらいだろうか。そろそろ美少女というよりは美女の範疇になっちゃうのかもしれない。

 俺は相変わらずのかぼちゃぱんつだ。そのことに不満はないけれど……いくつかの誤算はあった。

 オシメの時にはさっちゃんが毎日ずびずばーしてくれてたけど、流石におトイレ覚えたさっちゃんがぱんつ穿いたままお漏らしすることはそれほどなく、いや、まぁたまにはおねしょとかしたりもするんだけど、オシメの時とはまあ比べものにならないくらいそういう機会が減ってしまったのだ。

 ……つまり、どういうことかというと。

 オシメの時にはガシガシ貯まっていたPPが、この二年ほどは思っていたほど貯まらなかった、ということなのだった。

 月に一万貯まれば、十年くらいでシス子ちゃんのデレオプションゲットできると思ってたのにっ! このままじゃ何年かかるかわかりゃしねぇっ!

 さっちゃんのおぱんつであることに不満は無いけどさ、PPたまらないのは何とかなんねーかなぁ……。

 あと、もう一つの誤算も割と致命的というか、切実な問題ではあった。

 赤ん坊のオシメや、よちよち歩きの時には全く想像もしてなかったんだが。

 ……当たり前の話、普通、ぱんつは外から見えないのだ。

 逆に言うと、ぱんつから普通、外は見えないのだ。

 どういうことかというと、これまでほとんどオシメ一枚だったさっちゃんが、きちんとした服を着るようになったことで、俺は普段、ほとんど外の様子がわからなくなってしまったのだ。

 さっちゃんが着ているのは、和服のように前で合わせて紐で結ぶような服だ。膝丈くらいで、時折合わせ目からちらちら外を覗けることもあるけれど、普段見えるのは、さっちゃんのかわいいあんよと床くらいなんだよ……。

 ママさんの美少女っぷりも、さっちゃんがお風呂に入るときや、俺が洗濯されるときくらいしか見ることが出来なくなってちょっと悲しぃー。

 まあでも、それがぱんつ道ってやつだよな?

 ぱんつ道とは、耐えしのぶこと。

 ……自分で言っててなんだが、ぱんつ道ってなんだよ、おい。

 こんなんじゃ、さっちゃんの危機に何もできないかもしれねぇ。

 スキルの上がりも悪くなって、最近はほとんど声も聞けてなかったけど、シス子さんや、この辺でなにか、すぱーんとナイスなアイディアはないですかね?


≪……要請が承認されました≫

≪スキル:「透視」がリストに追加されました≫

≪スキル:「周辺探知」がリストに追加されました≫


 おおおー。ありがたやー。

 透視はさっちゃんの服を透かして周りを見ることができるとして、周辺探知ってなんじゃらほい?

 まあ、覚えて使ってみればわかるよな?

 えーっと、スキル一覧から選択してっ、と。


≪チュートリアル:PPの貯め方≫


 おや、なんかまだシス子ちゃんがしゃべってる?

 ってか、チュートリアルとかあったんかい! 今頃そんなんだされてもなー!


PPぱんつ・ぽいんとは、ぱんつとしての経験を積むと増えていきます≫

≪また、各ぱんつ独自のスキル等を使用することにより得ることができます≫

≪ただし、PPを使用して習得したスキルを使用してもPPは取得できません≫


 ……おお?

 つまり何か、これまでPPで覚えた「PONPONうぉーまー」や「PONPONくーらー」を使ってもPPは手に入らないけど、かばちゃぱんつ独自の「ぱんつ魔法」を使用すればPPが手に入るってことか?

 でも俺には口がないし、魔法とか呪文唱えられないんだが。

 どないすりゃいいねん?


≪スキル:無詠唱がリストに追加されました≫


 ナイスだシス子ちゃん! ってゆーか、最初から用意してくれよそういうヤツっ!

 七つの大罪がどうとかより、よっぽど大事だろ!

 って、無詠唱の消費ポイントたっか!

 これまで追加してくれたスキルってだいたいお試し価格ってゆーか、お求めやすいポイントだったのに、これ覚えたらこれまでたまってたポイントの8割近く飛んでくがな。

 シス子ちゃんデレオプションが、さらに遠のく……むう。ここはあきらめるべきか?

 しかし、このままではPPが全然たまらないのも確かだ。

 ここは、損して得とれってやつかな。

 俺はッ! 無詠唱をッ! 取得するぜッ!

 ひゃっはー! 俺は魔法使いになるぜ~!

 生前も魔法使いだったけどなー、違う意味で……。




 ……はい、忘れてました。

 ぱんつ魔法って、レベル1とレベル2攻撃魔法じゃん。危険なふぁいあー・ぱんつを封印して以来、全然使ってないからレベルも上がってないし。

 どうやってレベルあげたらいいんやー……。

 ぱんつ降らせまくるしかないんだろうか。

 でもさっちゃんがぱんつを脱いで人に投げつける、だなんて誤解が広まったらヤバいよね。

 ええーっと。確かLv3がセンス・ぱんつで、Lv4がリムーブ・ぱんつだっけ?

 このあたりならさっちゃんに迷惑かけることなくスキル上げできそうなんだが……むぅ。

 とりあえず、覚えた「透視」と「周辺探知」を使ってみるかね。

 スキル「透視」発動!

 ふははーっ! 見える! 見えるぞーっ! 外が見える!

 これで周りの様子がわかるね!


≪熟練度が一定の値に達しました≫

≪透視がLv2に上昇しました≫


 おお! レベルが上がってさらによく見えるよう……に?

 ってあれ、なんかママさんの服うっすら透けてみえね?

 あん? まさか、1レベルごとに布一枚分、透視できる範囲が広がるのかっ!?

 やべ、これはヤバイですぞ!

 美少女なママさんの、イヤンでうふふな姿を覗き見るなんてっ!

 でへへ。

 やべ、よだれ出てきた。口とかないけどなー。

 流石にほら、ぱんつ穿いたまま風呂に入ることなんかないからさ、さっちゃんとママさんがお風呂に入るときなんかでも、一瞬ちらり、くらいしか見えないんだが。

 むはー。

 透視のレベル上がったら、ママさんのはだか。見放題?

 うひょー。これはレベル上げるしかないね! 常時発動だっ!

 ふう、でもって。次はスキル「周辺探知」発動だっ!

 およ、なんか視界の端に丸いのが現れたぞ? レーダーみたいな?

 中心の白い点が自分かな? それともさっちゃん?

 この青い点は……ママさんだろう。とすると、この丸いのはだいたい半径2メートルってところか。レベルが上がると探知範囲が広がるんかね?

 使い方よくわからないが、周辺に居る友好的なのとか敵対的なのを色と点で表示してくれるって感じか。

 これも常時スキルオンにしておいて、さっちゃんを危機から守らなきゃな。


≪熟練度が一定の値に達しました≫

≪周辺探知がLv2に上昇しました≫


 お、少し範囲が広がったっぽい。

 よしよし、この調子でレベル上げだー!

「ままー? なんかへんなまるいのみえるのー」

「あらあら、さっちゃん、どうかしたの?」

 って、あれ、この丸いレーダーみたいなの、さっちゃんにも見えとるんか。ってまさか、透視もさっちゃんに効いてるんじゃないだろな?

 ……うーん? そういうそぶりはない、かな?

 俺にしか使えないのと、着用者であるさっちゃんにも使えるのとの違いってなんだろな?

 「PONPONうぉーまー」とかは俺にしか発動できなかったけど、ぱんつ魔法はさっちゃん、なんでか魔法使ってたしな。周辺探知もその系なんだろか。

 お? ままさんが、さっちゃんの目を覗き込んでゴミか何か入ってないか確認してるみたいだ。まあ、ゴミなんか入ってないんだけど。

 むぅ、どうしよう。さっちゃんの安全を守るためには常時オンの方がいいんだが。さっちゃん自身が気味悪く思ったりするようだと、普段はオフの方がいいかな。


≪熟練度が一定の値に達しました≫

≪透視がLv3に上昇しました≫


 お、そうこうしてるうちに透視のレベルがあがった!

 こ、これは、ママさんの裸がっ!?

「うーん、別に何もないみたいね」

 ぶはっ! ママさんの顔が、ガイコツやーっ!?

 見えすぎちゃって~困るの~っ!?

 骨は行き過ぎっ!

 イヤンでうふふはどこいったーっ!

 こ、これは透視のレベルは上げ過ぎない方がいいんと違うかな。

 というか、外見たいだけだったのに、ママさんのイヤンでうふふな姿を覗き見たいだなんて思った俺がイケナイんだよね。反省しる、3秒だけ。

 うまく調整できればいいんだけどナー。

 欲が混じるとどうもうまくないっぽい。

 よし、とりあえずどっちもオフだ。周辺探知はさっちゃんが寝てる時に上げればいいよな。


 ……って、けっきょくPPたまらない問題は解決してなくね?

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