とれぱーんまん
落ち着いて聞いて欲しい。
……うん、また、なんだ。
俺、やりすぎちまったらしい。
ママさんに認めてもらえて、これで遠慮なくスキル使い放題だぜ~って、いやこれまでも全然自重なんかせずに、まあいろいろやっちゃってたわけなんだけど。
さっちゃんも、だいぶ大きくなって、ハイハイはおろかつかまり立ちしてよちよち歩きとかするようにまでなってたんだけどさ。
……俺がむにゃむにゃを全部なかったことにするせいで、さっちゃんおトイレを覚えなかったのだ。
本当ならそろそろオシメは卒業して、おぱんつに穿きかえる時期なのだろうけど、さっちゃんはいまだにオシメっ子なのだった。
まだ流石に守備範囲外だけど、ちょっと萌える! おしめっ娘。
まあ普通は漏らしたらオシメ気持ち悪くて、漏らす前に、ママおしっこーって言うようになったりするもんだけどさ。
俺が全部消し飛ばしちゃうせいで、いつまでたってもさっちゃんはむにゃむにゃを垂れ流し、いつでもどこでも、ずびずばーなおにゃの子に育ってしまったのだ。
防汚があっても、汚れにくくて落ちやすいってだけなので、俺だってそりゃ洗濯もしないと完全にキレイにはならないし、さっちゃんから離れることもあるんだけど。
そこで俺を穿いてる時みたいにずびずばーってやっちゃうもんだから、なかなかオシメ離れできなくってママさんちょっとお困りの様子。
流石に一生、オシメ穿いてるわけにもいかんだろうしなー。
かといって、さっちゃんが穿いてくれなくなったら、俺何もできなくなるのも困る。
PPがたまらないと、シス子ちゃんデレオプションも入手できないしネ!
結構、PPもたまったんだぜ? デレオプションにはまだ遠いけど。
あんまり使い道ないからさー。
まあ、あんまりいい考えも浮かばないうちにまた月日は過ぎて行ったのだった。
ある日、珍しくママさんの家にお客さんが訪ねてきた。どうやら最近引っ越してきたらしい。
おっかさん!って感じのふくよかなオバさんで、3歳くらいの小さな男の子が一緒だった。
これまでご近所には小さな子供とかいなかったので、さっちゃんのお友達になれるかねー、なんて思っていたら。
おい、こら。いきなりさっちゃんのオシメ引っ張るとか、なにしとんのこのクソガキゃぁ?
「うー?」
きょとんとするさっちゃん。
「オシメするのは、赤ちゃんだよ?」
クソガキがわけのわからんことを言って、またさっちゃんのオシメ、ってゆーか俺のことなんだが、ぐいぐいと引っ張る。
安全ピンとかないから、オシメってほんとくるくると巻きつけてあるだけなんで、すっぽーんとほどけてさっちゃんのおしりがぷりんと顔を出した。
「うーあー」
さっちゃんが、ちょっと泣きそうな顔だ。
こら! このクソガキ! 赤ん坊とはいえ、おにゃのこを脱がすとか何考えてんだ! 今すぐ戻せ!
騒いでみても、俺の声にならない声なんか誰にも届きゃしない。
ママさん、ママさん気づいて~なっ! さっちゃんの貞操の危機だぜっ!?
しかし、ママさんは世間話に夢中でこっちに気付いてねえ。
ちくしょう、このままじゃ、クソガキにさっちゃんが、さっちゃんが、エロイことされてしまうっ!?
「……んー?」
クソガキは、なぜか俺をつかんだままきょとんとしていた。
それから、なぜか。
おもむろに。
俺を見つめて。
「あむ」
うぎゃー! 男にしゃぶられるとか、俺そんな趣味ねぇ~っ!?
あれか、さっきさっちゃんがずびずばーしたのを消臭して消し飛ばしたときのカレーの匂いのせいか? 確かにスパイシーで食欲をそそる香りだけどさっ!?
防汚が付いてるとはいえ、さっちゃんのむにゃむにゃーがいっぱい染込んだオシメだぜ俺様はっ!?
そんな俺をしゃぶるとは……ぷぷ、とんだ変態さんだなこのくそがきゃぁ!
うんこマンって呼んじゃうぞ?
「ぱんたーおぅ?」
って、あ。さっちゃんも反対側しゃぶり始めたぞ?
いやいや、味なんかしないだろうに。
ほら、首かしげてるよ。
ああ、まあ、さっちゃんはいいんだよ。けど、このクソガキは許さん。
なんとかしてぇな。
今の俺ができることって言えば……PONPONうぉーまーくらい、か?
時々使ってたからこれも少しはレベルあがってるんだよね。部分発動とかやったことないけど、うまく発動すれば、ヤケドしない程度にアチチにできるんじゃね?
よし、ものは試しだ!
「PONPONうぉーまー」発動じゃあ! 局所発動で、クソガキだけアチチにしちゃる!
「……うー?」
ぺって、俺、吐き出された。びっくりした顔で俺を見てやがるクソガキ。
どうやらうまくいったようだ。
おっかなびっくり、俺をつついては首を傾げてやがる。
だから、もう一度つつかれた瞬間に指先をアチチにしてやった。
「アッ」
泣きそうな顔になって、クソガキがばたばたとふくよかなオバちゃんの方に逃げ帰っていった。勝利だぜ! ひゃっはー! おとといきやがれうんこマン!
「ままー」
「あらまぁ、どうしたのたっくん?」
オバちゃんの足に抱きついて、顔を隠すクソガキ。
そうか、たっくんっていうのか。覚えたぞー。さっちゃんの敵めっ!
「あむあむ?」
……でもって、さっちゃんもそろそろ俺をしゃぶるのやめてくれないかね?
まだ生えそろてないおくちでちゅぷちゅぷとしゃぶられるのは、まあなんかちょっとイケナイことされてるようで恥ずかしいんだぜー。
……まあ、そんなことがあって、俺はひとつ思いついた。
「PONPONうぉーまー」があるんなら、「PONPONくーらー」とかあってもいいんじゃね? 冷暖房完備のオシメとか最高だろ~?
そんな風にシス子ちゃんに言ったらすぐに承認されてスキル獲得した。
でもって、さっちゃんがずびずばーとやるたんびに、さっちゃんのおまたをひんやりと冷やすようにしたのだ。
あれだね、トレパンマンってやつ? むにゃむにゃは漏らさずに、やったことがわかる程度に不快感を感じる感じ。
最初はお気に入りの俺を穿いてるのに、いつまでも不快な感じがするのを不思議に思っていたようだが、何度も繰り返すうちにようやくずびずばーをするとキモチワルイという感覚を覚えてくれたらしい。
「ママ、おしっこー」
言えるようになったぜ、やったねさっちゃん!
そして、そろそろ俺のオシメとしての役割も終わりが近づいてきたってゆーことでもあるわけだ……。
長いようで短いオシメ生だったけど、楽しかったぜ。
あばよ……さっちゃん。
「ぱんたろーがいいのー」
「さっちゃんは、パンタロゥがお気に入りなのね……。じゃあ、あんまり汚れてないしこれ、ぱんつにしちゃいましょうか」
むむむ? ママさん、それナイス! 俺、もとは白い布だしな。チョッキンして縫えば、きっとパンツに生まれ変われるぜ! ぜひオナシャス!
≪強制クラスチェンジが発生しました≫
≪布のオシメ Lv30 → かぼちゃぱんつ Lv1≫
俺、念願のおぱんつに生まれ変わったぜっ!