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 前回土曜日に投稿すると言ったが、あれは嘘だ!


 ………すいません。でしゃばりました。土曜日に急遽用事が入りまして、急いで書き上げて投稿しました。


 本当に申し訳ありません………。


 次回は日曜日(?)です。


 まだまだ不定期更新ですが、ある程度話数が増えたら一週間に一話の定期投稿になるかもしれません。


 不束物ですがこれからもよろしくお願いします。


9月28日 午後15時58分 誤字訂正





 血の鉄臭い匂いが鼻につく。辺りには柄の悪そうな男たちが地にひれ伏している。

 あるものは腕が変な方向に曲がり、あるものは額から多量の血を流していた。

 皆共通しているのは命だけは助かっているということだけだ。

 俺は落ちていた伊達眼鏡を広いつけ直した。

 しかし、レンズは傷つきフレームは変な方向に曲がってしまっていた。多分乱闘の合間に踏みつけられたのだろう。俺は自分の鞄にそっとしまった。

 新しいのを買わなきゃな………。

 呑気にそんなことを思った。

 思えばこうやってヤンチャしたのも久し振りだなと思う。

 最後はいつだっただろうか。もう覚えていない。

 俺は一人のひれ伏すちんぴらに近付くとポケットを拝借した。思ったとうりタバコが入っていた。


「これじゃコイツらとやっていることは変わらないじゃん」


 少し可笑しくなって笑ってしまった。

 反対のポケットにはライターが入っていた。

 俺はタバコを一本くわえると火を着けた。煙が灰に行き渡り、頭にいい感じでニコチンが廻ってきた。

 しばらくぼうっとしていた。


「せっかく、禁煙したのに………」


 そう悪態をつくが、実際はある程度満足感があった。

 しかし、コイツ。ラークを吸っているのか。見た目のわりに金持ちだったりして。まぁ、個人的にはセブンスターの方が良いけどな。

 おっと、いかん、いかん。つい昔の俺に戻ってしまいそうになった。

 もうここには用はないので、さっさと家に帰ろう。

 ついでに商店街で真田コロッケを買っていこうっと。




◆ ◆ ◆ ◆


 私は幻想を見た。

 彼は圧倒的でいて、美しかった。

 ただ、単に殴りにかかるちんぴらと違い、彼の一つ一つの技にキレがあった。

 格が違う。

 そう、思わずにはいられなかった。

 見た目は地味な男の子なのに、すごく格好良かった。

 自分の頬が赤くなるのを感じた。

 そして極めつけ。

 彼が眼鏡を外した時だった。眼鏡を外した彼はかなりの美少年だった。

 普段からあの状態でいたらかなりモテるであろう。

 そして私は思った。

 彼を私のモノにしようと………。




◆ ◆ ◆ ◆


「何か嫌な予感がする」


 書店で本を読んでいた私は急に寒気がした。




◆ ◆ ◆ ◆


 今日は本当に濃い1日だった。

 美少女から突然コクられたと思ったら、ちんぴらに誤解され絡まれ。

 地味男スタイルで過ごした中でも一番に入るほど騒がしかったな。

 しばらくそんな思いに浸っていたら、

 とある、眼鏡店についた。この店は俺の数少ない友人の親の営んでいる店であり、たまにサービスしてもらっている。

 今時珍しい手押し扉を開けると、三編みの眼鏡の女の子が箒をかけていた。


「ああああっ、い、いらっしゃいませせ。」


 おいおい、どうした………。

 まぁ、手短に説明するとこいつはこの店の店主の娘だ。名前は近衛珠(このえたま)


「よぅ、たまたま。久し振り」

「ちょ、いつもその名前で呼ばないで――って、えええ、優くん!?」

「うるせぇ………、何でそんな驚くんだ………」


 耳元で叫ぶな。鼓膜が破れる。

 ………てか、そんな、不細工じゃないと思うんだがな………。

 やっぱり、不出来なんだな。遺伝子って怖い。


「いつものな」

「う、うん」


 そんな、俺に近寄りがたいか、こんにゃろう。

 客に対して三メートルは離れるって、どんだけ近づきたくないんだよ………。

 やっぱ伊達眼鏡はスゴいな。不出来な顔を覆ってくれるし影薄くなるし一石二鳥だ。

 珠はパタパタと店の奥に入っていった。


 ………………クッソォォッ!遺伝子めぇぇぇぇいッ!




◆ ◆ ◆ ◆


 まさか、あんな格好良かったなんて………。

 近衛珠は一人ごちた。

 彼女は今年で二十五歳だ。もう婚期は過ぎたとも考えていい。

 しかし、彼女は今さっき入ってきた、顔見知りの男の子。

 そんな彼に一目惚れをしてしまった。


「ううぅ、彼が成人していたらなぁ………」


 店の奥で珠は身悶えていた。




◆ ◆ ◆ ◆


 奥から珠が出てくる。

 先程の慌てたようすはなく、商売人のキリッとした顔つきに変わっていた。

 眼鏡も外している。本当、ギャップがスゴい。

 少しつり気味の目にシャープな輪郭。もこのまま居れば絶対モテるのに。

 まぁ、性格は眼鏡っ子そのものだから、ギャップがスゴいけどそれも萌え要素に入っている。


「こちら、2500円です」

「あれ、前は3000円じゃなかったか?」

「サービスですよ」

「そうか。ありがとうな!」


 そう言って眼鏡をつけ直す。

 ………うん、ぴったりだな。高さも丁度良い。

 いつもの自分に戻った気分だ!

 よし、眼鏡も新しくしたことだしコロッケ買いにいくか。


「また眼鏡壊したらくるからな」

「じゃあ、この店にこないように祈っているね」

「………地味に傷ついた」

「えっ、あああ、ご、ごごめんなさい!?」


 やっぱり、こいつは反応が面白い。からかっただけ、と伝えると今度こそ俺は店を出た。




◆ ◆ ◆ ◆


 潤は商店街を歩いていた。ここら辺の通行量は多く、すれ違う顔がよく見える。

 今は美沙子たちが居ないので、のんびりぶらぶらしているのだった。

 曲がり角を曲がった。その時、ドンッと誰かにぶつかった。それは制服が着崩れた女の子だった。

 なにか良いことでもあったのか、その顔はどこか恍惚としている。

 急に女の子はバランスを崩して倒れそうになる。


(危ない!)


 咄嗟に潤は彼女を支えた。気を失ったしたのだろうか力なくダランとしている。

 困り果てた潤は近くの公園まで行くとベンチに寄りかからせた。

 手短にスポーツドリンクを買っておく。あの人混みのなか熱中症になった可能性もあったからだ。


「………ん、うぅ………」


 艶かしい声で彼女は起きた。

 不覚にもドキリとしてしまう。頬が暑くなった。


「大丈夫だった?」

「………あなたは、誰?」


 潤に名前を聞いてくる。まぁ、当然の反応だろう。


「僕は潤って言うんだ。商店街で急に倒れたからビックリしたよ」


 彼女は少し考え事をしたあと「あぁ………」と呟いた。

 どうしてあの場所に居たのか思い出したのだろう。そして今度は彼女から、質問してきた。


「前髪の長めの眼鏡の男の子を見なかった?」

「いいや。――大切な人なの?」

「ううん、………………………ーーこれから」


 最後の声は聞こえなかったが、何か関わりがあるのだろう………。


「僕も探すの手伝おうか?」

「………お願い」


 彼女は少し悩んだ後、承諾した。






ナンパされていた女子ですが、彼女は残念ながらヒロインになれません。


それは優が転校してしまうからです。


この話以降彼女との繋がりは無いと思われます。


なんたって、出オチキャラですから(笑)


なので名前も無いです。完全にモブ。この際美少女モブとでも言っておきましょうか。


なんか新しい単語ですね(笑)




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