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受験終わりました!あとは、合格するかしないかですねぇ


3月30日 午前10時37分 矛盾点の改正と修正。


9月28日 午後2時48分 誤字修正とルビ振り追加

「今日はみなさんに2つお知らせします」


憂鬱なホームルーム。そんな、俺の感情を比喩したような顔で担任は口を開いた。

ちなみに、昨日アリスは泊めました。手は出してません。

悪かったなヘタレで。

だけどさ、あれ以来アリスが俺のことを避けるようになったんだよな。助けたのになんで…………。

そんな、俺の心の葛藤に被せるように担任は口を開く。


「まず、一つ目。転校生がこのクラスに来ます」

「せんせーい!!女の子ですかッ!!??」


クラスでもバカの分類に入る六原慎司(ろくはらしんじ)が叫んだ。少し長めの髪にメガネの地味オタク。俺と同じ分類だ。

まぁ、こういう性格のやつは嫌いではない。むしろ、仲良くしたい。

なんでかって?こういう奴ほど彼女ができない立場に置かれているからだ。いわゆる場を盛り上げるだけのモブ。おれはコイツとは反対に場を盛り上げる事はせずただ机に座って背景にすら映らない真のモブだ。

同じモブ仲間という事で是非とも仲良くしておきたい。


「女子です。美少女です。しかも3人」


担任は苦虫を噛み潰したような顔をしながら言った。多分、美少女をみて自分の婚期が伸びたように錯覚して鬱っているか、もしくは潤にまとわりつく厄介な害虫(むし)が増えるからか。

どちらにせよ、俺には関係ない。ただ、潤を恨めばいいだけ。なんで、お前ばっかモテるんだよっ!ってね。

しかし、バカな男子はみんな「うおおおお!」と叫んで興奮している。もちろん、俺もだけどな。


「では、入ってきてください」


ガラッと教室の戸が開かれる。

この時俺は一つだけ間違いを犯した。


「では、自己紹介をお願いします」

「苗木美沙子です」

「菜村サラよ」

「え、えっと…………三枝美紀です……」


俺は頭を抱えた。目を背けるという名のショボい現実逃避をしてみる。大して効果はないようだ。……俺、死んじゃう、過労死しちゃうお。

いや、まてよ。別に前の学校のような事が起こるわけではない可能性もある。


「じゃ〜、サラさんは潤くんの前に。美紀さんは潤くんの隣に〜。美沙子さんは…………空いてるスペースがないので優の隣でいいかな」


オーマイゴット。また、転校前の悲劇を繰り返すというのか。また、あの呪詛のような愚痴を右から左に受け流さないといけないというのか!

なんてついてないんだ。しかも、ちゃっかり担任の態度が俺の時と潤の時とで違うし。イケメソ死すべし。


「せんせーい。こういう時って転校生とかにいくつか質問とかそういうのをするのが定番じゃないっすか?」


六原が言う


「うーん。別にいいよ。時間もまだあるし」

「よっしゃ!!じゃあ、手始めに好きなものを教えてよ」


最初に答えたのは美沙子だった。


「私が好きなものは潤くんです。それ以外はどうでもいいです」


六原は潤を睨む。潤は苦笑いをして目をそらした。だがな、そっち側には俺がいるんだ。潤は俺の顔を見るなり頬を引き攣らせた。失礼だな。


「美紀さんやサラさんはどうですか??」


六腹が期待の眼差しで向き直す。

向き直した瞬間、六腹は泡を吹き倒れた。いや、正確には机に顔を突っ伏した。

何事だと俺も向き直る。

oh…………般若、般若がおるよ……。潤のことを睨んだからだろうか凄く怒ってる模様。泣く子も黙るとはこういうことなのかもしれない。少なくとも俺が六原と同じ運命を辿ったということは皆も察しがつくだろう。




◆◆◆◆◆


「「知ってる天井だ」」


声が重なる。この声は六原だろうか。


「おー、お前は確か要兄の方か」

「あぁ」

「お前もあの殺気に当てられたのか?」

「そうだ」

「実は俺とお前は気が合うのかもな」

「……俺、ノンケだから「いや、そういう事じゃねぇよ?」……アハハ、知ってる」

「はぁ…………。じゃあ、俺は先戻るぜ。あ、俺の名前は……」

「六原慎司だろ?知ってる」

「おおお……俺の名前を覚えてくれてる人とか初めて見た。なんか新鮮だな」


なんで、そこで顔を赤らめるんだ。


「まぁ、俺とお前なかなか似てるからな。…………待遇的に」

「確かに。納得」

「おい、お前……泣くなよ……」

「いやいや、お前こそ……」

「「アハハハハ…………グスン」」


無言で出ていく慎司。大丈夫だ、男ってのは背中で語るもんだぜ。

そう、背中で語ればいいのだ。だから、顔なんてどうでもいい。流れ続ける涙に頬を濡らしつつそう心で嘆いた。

そして、慎司に交代するように誰か入ってきた。


「おにーちゃん」

「ちっ、潤か」

「その反応は酷くない!!」


酷くないよ。女のくせに美少女侍らせてやがる事になんて何も思うことはありませんからね。

だから、安心して死ね。


「おにーちゃん。殺気が」


潤の方を向くと、涙目で上目遣いにこちらを見つめていた。

ぐ、ぐはぁ…………!!

な、なんて破壊力だ……。か、可愛いなんてこれっぽっちも思ってないからな!


「…………。あ、おにーちゃんに伝えられなかった連絡するね。2週間後に体育祭が始まるって」

「え、そんなに急になのか?」

「そうだよ。ちょっとびっくりしたけど、内容は小学校や中学校でやったことと同じだから練習することも少ないらしくてね。だから僕達が急だと思っててもここでは普通なんだってさ」

「うわー。とりあえず、めんどくさいとだけ言っておく」

「言うと思った」


潤はケラケラと笑う。……クソッ、かわいいな、オイ。


「なるべく早く戻ってきてね、おにーちゃん」


潤は授業に遅れる、と言いながら保健室を出ていった。

うん、おにーちゃんだるいし授業疲れるから今日はもう早退することにするね。潤のニコポにミーのヒットポイントが八割位ガンガン削れて最早立つことさえままならないです(嘘)。もうリアルバンビちゃんです(大嘘)。

ふと外を見ると体育の時間だからだろうかそれとも体育祭の練習だろうか女子達がダンス(?)の練習している。…………うわぁ、ボインボインだよぅ!

だけど、よくこんな寒い中で体操着になれるよな。関心関心。胸の揺れも関心、関心。

あ、でも、俺はブルマの方がいいです。もちろん旧派です。ジャーブルとか憧れるわぁ。






…………帰るか。




読んでくださりありがとうございました!

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