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 お久しぶりです。リアルがアレです。アレなんです。


 活動報告とか見ていただければ幸いです。

 はぁ、とため息をつくと俺は空を見上げた。夕日は沈みかけ辺りは暗くなり始めている。

 俺はあの後、校門でずっと赤はを待ち続けていた。

 しかし、赤は一向に来る気配がない。まるで荒野に取り残されたフレンチブルドックの気分だ。

 しばらく経つと赤がやって来る。優雅に歩き周りの人々は魅了されたようにざわめいている。

 しかしなぁ、皆のものぉ!コイツが百合だと言うことを忘れてはいかんで!

 その後ろからは槙春も着いてきていた。

 てかコイツ遅れてきたくせにムカつくな。


「ご機嫌麗しゅう。優さん」


 ………。


「どうされましたの?」


 ………はっ?


「ちょ、キメェぞ。いつものしゃべり方で良いんだけど」

「う、煩いわね!わかってるわよ、そんなことを!」


 あっ、戻った。


「で、何のようだ?」

「随分と急かすのね」


 いや、急かしてねぇし。早く帰って録画したアニメ見たいだけだし。

 ………あっ、急かしてるのか。


「まぁな」

「ふぅん。まあいいわ」


 良いのかよ。


「今回呼び出したのはね……――」


 今日呼び出したのは………!


「貴方に新しい部活に入らないかっていう提案よ」


 なぁぁぁんだぁぁぁぁ!

 てっきり愛の告白と勘違いしちゃったぁ!……クソぅ!

 まぁね、だいたい予想はしてたけどね……クソぅ!

 しかし新しい部活かぁ。まぁ家にいても暇だからやっても良いんだけど。


「どう?」

「内容によるな」


 するとしばらくの合間があった。何か考えているようなそぶりをする。

 しばらくすると何かを決めたかのように顔を上げた。


「やっぱ貴方じゃ無理ね」

「さんざん悩んでそれかい!?」


 流石に酷くね。どんな内容だよ。


「と、思ったけど強制よ」

「ほんっと、めんどくさいなお前」


 まわりくどいわ!どこのギャグマンガだよ。

 てか、さっきから内容聞いてんじゃん、内容!


「――と言うことで生活応援部に入ってちょうだい」

「えっ」


 生活応援部?文化部っすか?


「何?不服なr――」

「――全然いいよ!てか運動部じゃなくて良かったわ!」


 運動部は動くからめんどいんだよな。まだ、俺は文化部の方が好きだな。

 

「………まぁ、明日からよろしく。詳しいことは明日伝えるわ」

「おうよ!」


 中学の時はヤンチャしてたし、実際文化部憧れがあったのも確かだ。だって、ほら、あれじゃん。草食系ってモテるじゃん?お、俺聞いたぞ。今は草食系の時代だって。

 彼女欲しいんじゃ、ボケ。

 とか、なんとか思っていたら、赤はいつの間にか消えていた。多分帰ったんだと思う。

 周りはもう真っ暗だ。俺もそろそろ帰るかね。

 歩みを進めようとしたときだった。誰かに呼ばれた。


「優殿~」

「ん、槙春か。どうした?」

「いや、一緒に帰ろうかな……と」

「別に良いけど」

「ほんとか!?」


 うお、眩し!その笑顔眩しすぎるぜ、べいべ~。

 ……冗談だからな。


「………」


 二人とも何も喋らない。

 …………あれ、これって……。





 はじめてのデートで恥ずかしがるカップルに見えないか!?




 うおおおおおおおお、キタコレええええええええッッ!




 ………って、バカか俺は。いい年こいて何バカな妄想してんだよ。あぁ、はずかし。

 あ、いや、でもでもでもでも!も、もしかしたら………!ああああ、もぅう、誰かぁ!助けてぇ!気まずいわあああ!うん、不覚にも顔が赤くなっているようなきがする。このシチュでときめかない男子は居ないだろ!………リア充以外は。

 そんな俺の気持ちに答えるように槙春が口を開いた。

 

「あのさ、優殿。ちょっと聞きたいことがあるのだが……」

「……な、何?」


 ゴクッと唾を飲む。


「――じ、潤殿は好きなヒトは居るのか?」


 ………えっ。


「………えっ?」

「そ、その潤殿は好きなヒトは居るのかな~と……」


 ………。

 うわああああぁぁぁぁん!

 誰か僕のときめきを返してえええええええええ!

 この胸の鼓動をとめてえええええええええ!

 あぁ、やはり神などいなかったのか………。


「あっ、アハハ。潤ねー。いないと思うよ。うん」

「そ、そうか」


 メンタルに多大なダメージを負ったため再起不能………とまではいかないが確かにうちひしがれた俺がいた。

 潤め。今度会ったらもっと酷い罰を与えなければな。


「あー、俺このあと用事あるから」


 勿論嘘だ。逃げるための口実に決まっているだろう。

 だいたい何故人の恋バナに付き合ってられるかよ。

 俺は「じゃあな」と声を掛けるとな逃げるように家に帰った去った。

 べ、別に悔しいわけじゃないんだからねっ!



◆◆◆◆


 行ってしまった。私は伸ばしかけた腕を降ろした。

 私は今気になっている人がいる。その人はあんまり目立たないのに何故か強くて優し………くは無いけどツンデレで。

 いつからだろうか彼に惹かれたのは。彼は転入生だ。その当初は何も感じなかった。当たり前だ彼のことなんて何も知らないから。そして私自身友達と呼べる存在が少なかったから………。

 いきなりだが私は小学校の頃にいじめられたことがある。

 内容は筆箱や上履きを隠されたりとか軽いものだ。しかし、当時の私には受け入れがたい出来事だった。

 私は先生に報告しようとした。だけど先生は思春期だからとか適当な理由をつけてあしらわれた。後でわかったことだが私をいじめていた子の親が結構なお偉いさんらしかった。軽くあしらわれたのも多分そのせいだ。

 だが、私はその事は知らないのでまたいじめられる日々が始まった。どころかエスカレートしていった。先生に報告したのが原因だった。

 もう、毎日が苦痛だった。だけど親には言えなかった。私の母は私の小さい頃事故でなくなってしまい父が男で一つ私を育ててくれたから。そして今でも寝る間を惜しんで働いているから。だからそんな父に私は迷惑をかけたくなかった。それが理由だった。

 そんなある日私の学校に転入生がやって来た。それが赤だった。昔も変わらず美少女で先生も生徒も皆彼女にはデレデレだった。勿論私をいじめていた子も。しかし、いじめは終わらなかった。

 もう、この頃になると殴る蹴るは当たり前で身体中痣だらけで自分でも引くくらいだった。

 そして、ある時それを彼女に見られた。体育の時だったと思う。ちょうど着替えていたときだ。彼女に酷く訪ねられた。この痣は何?誰にやられたの?しつこく何度も何度も何度も何度も同じことを問われた。だけど私は彼女に本当のことを伝えなかった。どうせ女は男には勝てないからだ。彼女が仲裁に入ったらいじめの頻度が上がると思ったのも一つの理由だ。

 だって誰も美少女には弱いでしょ?

 だけど最悪と思っていた最高の展開はあっけなく訪れたのだった。私がいつものようにいじめていた時彼女がやって来たのだ。

 何で?無意識に呟いた。だけど彼女には聞こえなかったようだ。

 まるでお伽の王子のように颯爽と現れ私をいじめていた子を蹴散らした。

 そして、彼女は振り向き様にこう言った。


「あなたはこのままでいいの?」


 良い訳ない。


「じゃあ、なんで変わろうとしないの?」


 あなたみたいに強くはないから。


「私は強くない。弱いわよ」


 嘘。


「嘘じゃない。人に怒られれば泣くし………」


 じゃあ……


「だから強くなろうって思うの。弱いまんまじゃ嫌だから」


 でも……


「すべこべ言わず努力しなさい!じゃなきゃあなた一生弱いままんまよ!それで良いの?」


 そんなの………嫌に決まってる!


「そう。それがあなたの答えね。良いわあなたが強くなるまで一緒に居てあげる」


 一緒?


「一緒」


 ………ありがとう………。


 これが彼女、箱田赤との出会いのきっかけ。

 

 少し話がずれてしまったが、彼……要優が好きになったのは彼女と似ていたことにあると思う。

 颯爽と現れ私を助けてくれたり、ツンデレだったり。

 多分私が彼が好きになってしまったのは、偶然ではなく必然だったのだろう。彼女と彼が重なって見えてしまった、ただそれだけのこと。

 だから、いつか彼を振り向かせて見せる。そしてずっと″一緒″に居たい。そう思わざるを得なかった。



 そう、ずっと″一緒″に………。






 




 まさか槙春がねぇー。


 てか、シリアス激ムズですね!キッツいわぁ(笑)


 次回も宜しくしていただけると嬉しいです(*´ω`*)

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