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スマホにしたので慣れないのですが、記念に投稿。



 鏡の前で髪を整える。転校初日なので身嗜みは普段以上に綺麗にした。身嗜みはな………。

 ん?なんで含みのある言い方したのかってか?

 そりゃな………、顔があれだしな眼鏡だし目立たないし。せめて汚いのはあれなので、目立たない程度に抑えめでいくことにしたんだ。

 まぁ、潤が居ることで俺なんて眼中に居なくなるんだろうけど。一応の保険という感じでだ、もしかしたら俺の事を見てくれる女子は居るかもしれない。………潤がいる時点でほぼ0%だが。

 ………うん、朝からしょんぼりしても意味ないや。やめよう。

 さてとそろそろいきますかね。

 俺は鞄を肩に担いでアパートを出た。




◆ ◆ ◆ ◆


 俺が転校したのは私立で、確か黒森高等学校と言う名前だったような気がする。

 有名な御曹司やら何処其処のお嬢様やら、かなりの規模を誇るらしい。

 些か俺は場違いなような気がしてならない。

 学校が近づくにつれ俺と同じ制服の生徒もちらほらと見え始めた。

 しかし、その生徒達の後ろには執事や侍女やらが付いている。とてつもない疎外感を感じた俺は誰にも眼を会わせないように歩いた。

 しばらく歩くと、転校前の学校が民家に見えるほど大きな建物が見えてきた。………………えっ、でかすぎじゃねっすか?

 何階建てだこれ。目測では十階はあるぞ………。ちょっとしたビルの集まりかと思ったじゃねぇか。 俺は疎外感どころか自分が存在しない方が良いんじゃね?と頭を抱えたくなった。

 俺は校門の前に来ると二、三度深呼吸をする。見上げればビル………じゃねぇや学校だ。はたして俺は入っていいのか、と心で葛藤したあと勇気を振り絞って………。


「――そんなところでたっていいたら邪魔ですよ。早く退いてください――平民」


 振り向く。そこにいたのは外国でしか見られないんじゃねっ?と思うほどの金髪をクルックルッに巻いた少女だった。

 見た目はかなりの美少女だ。しかし、そのクルックルッに巻いた金髪のせいで威圧感がぱない。それに加えバックにはバカみたいな数の取り巻き。と潤。

 ………って、オイッ!

 なに、ちゃっかり金髪お嬢様と登校しちゃってんのッ!?

 潤にだけわかるように睨むと潤は両手をあわせてゴメンのポーズをしてきた。………よし、後でお仕置きな。


「あっ、すんません」


 俺は平謝りをしてそこを退いた。


「全く、これだから平民は………。さぁ、行きましょ潤様。大丈夫、私がエスコートさせて頂きますので」

「あ、ハイ………」


 とりあえず潤達は学校に入っていった。………なんなのアイツ。ツンデレなの?

 まぁ、いいや。アイツらで毒気も抜かれたし。

 不思議とさっきまでの疎外感は消えていた。

 またさっきのようなやり取りをしないためにも、さっさと校門を通った。



◆ ◆ ◆ ◆


「はい~、今日からあなた達の仲間となり一員となる要潤くんと~、要優くんです~。一応兄弟ですよ~」


 一応ってなんだ。一応って………。

 クラス全体を見ると、男子三割女子七割位の比率だった。なんだろう凄くツッコミたい。

 ていうか、もう潤がハーレム作るためだけに設定されたよね、コレ。

 なんなの?俺にはハーレムなんかつくらせねぇよ、ヴァカ。って神様はいいたいのか?

 潤を見てみると緊張でガチゴチやん。ゼンマイ式ですかね。


「あ、あの。………えー、ぼ、僕は要潤って、い、言います。ききき気軽に話かけて頂くとうううれしいででですぅ!」


 噛みまくりじゃねぇかYO。ベタ過ぎるのも大概にしやがれ。

 ………はぁ、ヤバい。なにがって?女子の潤を見る目だよ。

 思い切り潤に一目惚れしてるじゃん。お前はハーレム製造機かよ。

 ………はぁ、気にしてたら疲れる。

 幸せはため息をつくと逃げていくと言うが、俺の場合は年内にマイナス下回るかもしれない。

 よし、ちゃっちゃと自己紹介を済ますか。


「えー、俺のn…」

「――はい~、君達は彼処の空いている席に座ってね~」


 ………。

 えっ、なんなの、イジメ?

 HU・ZA・KE・RU・NA☆

 思わず二度見した俺を許してくれ。「うふふ~」とか笑っているが、ヤバい悪魔の笑みにしか見えない。

 潤も潤で顔を赤らめるな、笑いを堪えるな。しばくぞボケ。

 あああ、初日からコレっておかしいでしょ!

 男子からは同情の視線を向けられたような気がした。女子は………………、うん、察してくれ。




◆ ◆ ◆ ◆


 結局俺に話かけてくれるやつなんていなかった………。ボッチは免れたとか思ってた前の自分を殴り飛ばしたい。

 しかし、人気ないにも程がある。俺、なんかしたかね………。

 てか、男子ですら声をかけてくれない事実。さっき同情してくれたじゃんか!

 ほら、おい。誰か一緒に話そうぜ………。バカみたいな話してさ………、盛上ろうよ。

 自然と俺は椅子の上で体育座りになっていた。だけど、誰も見向きはしてくれない。それどころか、潤の周りに集まる生徒達はどんどん賑やかになるばかり。

 あれ、目から汗が………。

 ………、よし誰もこないなら俺から………。

 ――キーンコーンカーンコーン――

 立ち上がろうとした瞬間、全く空気の読めないチャイムに邪魔をされた。

 ちょっとぉ!ボッチスタートはやだよぉぉぉおおッ!




◆ ◆ ◆ ◆


 俺は帰路についた。

 学園は、って?

 ふんっ、そんなに俺の事を聞きたいのか。

 いいだろう、教えてやろう。まず、誰も声をかけてくれないまま授業スタート。そのまま昼食休みまで寂しくレッツstudy。

 昼食、誰もいないままひとり寂しく手作り弁当を食べて、ひたすら小説を読み、そしてそのまま午後のstudy。

 部活には入らないので今に至る。因みに潤は部活紹介で引っ張りダコらしい。立ち聞きした。

 畜生!俺なんか誰にも誘われなかったぞ!

 はぁ、まあ元から部活には入るつもりは無かったんだが。

 誰にも声を掛けられないってのはさすがに悲しくなる。いいな~、潤はいいな~。羨ましいなぁー。

 それにしても腹減ったなぁ。近くにコンビニがあるけど、絶対面倒ごとがあるだろうし。変にフラグを建てるのも良くない。

 ここはさっさと帰ろう。

 と曲がり角を曲がると厳ついヤンキー二人組が一人の少女をナンパしていた。

 くっそ、そう来たか!

 俺は回れ右をするとそこから離れる。うん、何も見なかった………。


「そこのお方、助けてはくれまいか!?」


 なんか、とんでもなく面倒臭い予感しかないわ。




◆ ◆ ◆ ◆



次回は来週の水曜日。

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