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2/5 修正&加筆しました。
皆さん、おはよう。
俺の名前は要優って言う。
中国人じゃないぞ。れっきとした日本人だ。
名前の由来は家族全員の名前に「優」という文字があったからだ。
ちなみに父は優太郎母は優子という名前だ。まぁ父は今は音信不通で居場所すらわからない状況なのだが………。
そんなことは置いといて。俺の外見は下ろした前髪に眼鏡をかけている。
地味男スタイルと自分で名付けた。
眼鏡は伊達である。しかし母から貰ったものなので有り難くつけさせてもらっている。
実はこの眼鏡、とても凄い事がお――「ぎゃぁぁぁぁぁっ!」――………こるのだ。
あぁー、クソッタレ。今から伊達眼鏡の凄さについて語ろうと思ったのに………。
俺のストレス源が来てしまったようだ。
伊達眼鏡についての語りも中断。
俺はしばらく石にならせてもらう。
「た、助けてぇぇぇぇっ!」
ガラガラと教室の戸が開かれる。
それと同時に慌ただしい足音もしくは騒音が耳に響いてきた。
そして入ってきたのは、イケメン野郎。名前は確か、木之下潤って言ったかな。
………はぜろ。
「はぁ………はぁ………、つ、疲れた………」
それは疲れたとは言わない。美少女に追われて興奮しているんだ。
だから、決して弱音は吐くな。俺が毎日やられている事に比べれば数千倍はましだからな。
お前、普通美少女に追われて疲れたとか言わねえぞ?
本当は泣いて喜ぶべきなんだ!
「ふふふ………待ちなさい、潤。貴方また他の女子に色目使ったでしょう」
目を虚ろにしたポニーテールの少女がハサミを持って入ってきた。
アイツは苗木美沙子。
俺の幼馴染みだ。
そう。潤の幼馴染みではなく俺の幼馴染みなのだ。
皆さん大事なことなので二回言いました。
顔は整っており中々モテるタイプの人間だ。
そして、潤に対してヤンデレ。
「ちょっと!待ちなさいよねっ!」
続いて入ってきたのは金髪ツインテール。
その胸には大きなメロンパンが2つ。男子の夢と希望が詰まっている。 ツンデレ巨乳というあまり聞かない類いの人間である。
名前は菜村サラ。
日本とどっかの国のハーフだったような気がする。
「待ってよぅ~~」
続いて現れたのは今年、身長測定で驚異の138cmを出したあの子の名前は三枝美紀。
幼すぎる外見では小学生にしか見えない。
そして一頻り騒いだ後、リア充軍団は此方に歩いてくる。
リア充君はスタスタと俺の横まで来ると「おはよう」と声をかけてくる。
俺も「おはよう」と返すが潤の席を引く音にかきけされた。
周りの女子も何声かけてもらってんだ、くそ野郎。って言いたそうな顔をしている。
よほどのドMでない限り、ただのストレスでしかない。
あぁ、60代までは禿げないでいたいのに、この分じゃ20代で禿げるかもしれない。
やめて!やめてくれ!そんな理不尽絶対に嫌じゃぁっ!
この、心からの叫びを空に向けて問う(勿論心の中で)。しかし、その問を答えてくれる心優しき聖母様はここには居ないようだ。
◆ ◆ ◆ ◆
………駄目だ。挫けるな。これからもっと理不尽が起きるんだ。
俺は心で自分自身に言い聞かせた。
何故かって?そんなことすぐにわかるさ。
リア充軍団は席につこうと自分の席までやってくる。
そして、潤の前にサラ。その横に美紀がくる。美紀の後ろに俺。俺の右には美沙子。
お分かり頂けただろうか?
そう、俺の席はリアル充実者軍団に囲まれているのだ………!なんちゅー理不尽。もう、悪気しか感じないぞ。
うん、やっぱり挫けて良いですか?
真面目な男子高校生にはハードルが高すぎる。
年内に死ぬかもしれないわ、俺………。
だって女子の誰もが潤に話しかけようと必死なのだ。 俺はその障害物でしかない。
つまり、俺に向けられる視線は全て妬みでしかない。
そう、妬み。
何であんたみたいなやつが潤様の隣に座ってるのよっ!って言う妬み。
す、ストレスがぁ………………。
そして、朝のもうひとつのストレス。
毎日お決まり罵倒タイム。
唯一潤から離れている美沙子の愚痴を聞き流さないとならない。
しかし、聞き流そうとも一々ねちっこいからめんどくさい。
でも、聞かないと殺されかける。まだ死にたくない。 疲れるが仕方ないこととして諦めなければならないのだ。
そんな毎日に俺の友達は同情していたが、なら席を交換してくれと言ったら全力で拒否された。
誰か俺を助けてくれる人はいないのだろうか………………。