袖振り合うも
生まれてこの世に生きること
多くの人と出会うこと
出会い無くして別れ無く
別れに引くのは後ろ髪
世に同じ人のふたりなく
その様たるや千花万色
世に人々の数多く
されど見知るはひとつまみ
その人を知りなりを知り
言の葉交わそう相手なら
別れ惜しむこと如何せん
寂々として音も無く
蕭々として声も無し
されども決して悲しまず
別れに終わる出会いのあれども
別れに終わる別れ無し
異なる大地に立とうとも
見上げる空は同じくし
目にする景色は違えども
頬撫づる風はともに在り
彼も我も
異なる道をゆくだろう
異なる誰かに出会うだろう
されど
一度生いたるこの御縁
そう易々と切れるもので無し
袖振り合うも多生の御縁
唯望むのはまた袖の触れ合わんこと