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出会ったり再会したり



目覚めるとそこは草原……ではなかった!!


「路地裏かよ!仕事が雑だなロリ神っ!!」


俺の雄叫びにロリ神が答える。これが神の声というやつなのか。


『うるさいわ。最初から街中の方が展開早くて楽じゃろ』


確かにそれはそうだがそれを口に出すなし。全くロリ神はこれだから…。やれやれだぜ。


『という訳で後はお主の好きにせい。あと念の為言っておくが神力は使うでないぞ』


「あいよ」


そういってロリ神との通信は途絶える。とりあえずは現状把握のため自分の身体と周りの状況を確かめる。


赤い髪に赤い眼。年齢は16歳くらいだろう。まぁぶっちゃけ生前の俺の姿だ。問題ない。そんでもってここは路地裏。うむ、下手に絡まれる前に抜け出すに限るな。


「さてはて~どうしよ~かな~」


俺はとりあえず路地裏を抜け出しキョロキョロと周りを確認する。うん、普通の街だな。


…ハッ!?別嬪さん二人組がいる。やや内気そうな顔をした赤い髪の少女と見るからに元気そうな金髪の少女だ。二人ともかなりの美少女。目の奉養じゃあ、と思って見ていると厳つい三人組が美少女二人をナンパしだした。


「よぉ、ヒマなら俺らと遊ばないかい?」


ナンパゴリラ男1の台詞。獣臭い感じの男だ。ちなみに服がピッチピチでキモい。


「え…その…」


赤い髪の美少女はおどおどしている。対して金髪の美少女は困ったように周りを見渡すが皆見て見ぬふりをしている。


「なんだよ、ほら遊びに行こうぜ」


ナンパゴリラ男2が金髪の美少女の腕を掴んで引っ張った。すると金髪の美少女は眉をしかめながらそれを振り解いた。


「イヤ。ボクたちは今二人でお買い物してんだから邪魔しないで」


「はぁ!?おいおい人のこと邪魔とか随分な言い草じゃねーか」


ナンパゴリラ男3がキレたように言う。ムチャクチャな奴らだと思うがそういう手段なのだろう。三人組は少しずつ二人に近付いていく。


二人はその三人組に威圧されたように一歩下がる。これ以上はマズいと俺は判断して止めることにした。


「おいこら、ナンパゴリラ共。嫌がってる女の子に無理矢理迫るなんて恥ずかしくねーのかよ」


俺は歩きながら三人組に近付く。すると三人組はこちらを振り返り罵声を浴びせてくる。


「ああん!?なんだテメェ、文句あんのか」

「女の前だからって調子乗ると痛い目見るぜぇ」

「さっさと半殺しにしちまうか」

「そうだな、くくく」

「今さら謝っても遅ぇからな」


正直ぎゃあぎゃあ五月蝿いわ!今すぐぬっ殺してやらぁ。


「黙れナンパゴリラ共。俺に斬られたくなかったら今すぐここを去りな。見逃してやるから」


そう言って俺は腰にある剣を…………


腰にある剣を…………


腰に剣がない!!!


「……お、俺に殴られたくなかったら今すぐここを去りな」


はい。テイク2やっちゃいました。何故か三人組と美少女たちから哀れみの視線を向けられる。ちくしょー、悲しくなんか無いやい!


「死ねやこの間抜けがぁっ!!」


ナンパゴリラ男1が殴りかかってくるのをかわし、相手の首に軽く衝撃を加える。すると呆気なくナンパゴリラ男1は倒れた。


「糞ったれがッ!!」


ナンパゴリラ男2も同じように殴りかかって来た。全くバカの一つ覚えという奴か。俺は相手の拳が届く前に顎に蹴りを入れる。こちらもそれだけで呆気なく倒れた。


「な、何者だテメェ!?」


ナンパゴリラ男3が動揺したように聞いてくる。その問いに俺は腕を組ながら答えた。


「神だ」


「は?アホじゃね?」


その瞬間、俺はナンパゴリラ男3を吹き飛ばしていた。人をアホ呼ばわりするんなて許せないな。大体俺は本当に神様だし。


「ふぅ、お前ら大丈夫か?」


三人をてきとーに蹴って道路の隅に寄せてから美少女二人に声を掛けた。


「あ…はい。助けていただいてありがとうございました」


赤い髪の方の美少女が頭を下げる。その後すぐに金髪の美少女の方も頭を下げる。


「おう、気にすんな!可愛い女の子を助けるのは当然のことさぁ!」


すると意外にも二人も照れたように顔を赤らめている。初な反応萌えー!!!


「んじゃ、次はナンパされないように気をつけろよなー」


そう言って俺はとりあえず歩き始めるがすぐに後ろから声が掛けられる。


「ま、待って下さい!せめて何かお礼を……」


「そ、そうだよ。助けてくれた人にお礼をしないなんて貴族の恥だしっ」


お前貴族だったのか。と思ったが口には出さない。それが利口なやり方さ♪


俺は二人の方を振り返る。


「じゃあお前らの名前を教えてくれ」


「は…?名前…ですか?」


「ああ、美少女の名前はそれだけで価値があるのさ」


「そうなの…?まぁそれなら、ボクの名前はトリエだよ。トリエ・ランバン!」


金髪の美少女が自らの名前を告げた。続いて赤い髪の美少女も自らの名前を告げる。


「私はシャリー…シャリー・フォーカスです」


その言葉に思わず俺の動きが止まる。目は大きく見開いたまま呆然とシャリーという少女を見つめる。


彼女は今確かにシャリー・フォーカスと言った。フォーカス…。それは俺の家名だ。という事は彼女は俺の子孫。子孫…。確かに俺と同じ赤い髪に赤い眼だ。


「えええぇぇぇ!!??」


突然絶叫した俺に二人は驚いたような顔をする。間違いなく引いている。なんとか誤魔化せねば!


「ま、マジか…フォーカスってあのフォーカスなのか!?」


よし、これで完璧だ。誤魔化せたはず。二人ともなるほどという顔をしているし。うん、大丈夫だ。


「だよね!?凄いよね!!シャリーちゃんはあの<緋色の英雄>の子孫なんだよ!!」


緋色の英雄?俺の家系にそんな奴いたっけか。聞いたことないな。てか二つ名ダサいな。どこのチューニビョーだよ。


「聖戦で最も多くの悪魔を倒し、誰よりも強い<炎の剣聖>とも呼ばれた偉大な人!四本の刀を臨機応変に操るその姿はまさに天下無敵!!!」


悪魔を倒す?四本の刀?どっちも聞き覚えがある言葉だ。なんか嫌な予感がしてきたぞ。まさか…。


「やっぱり最高だよ!アッシュランド・フォーカス様は!!」


はい、どーん!!!


予想通り!!俺のことですか。地上じゃ俺は<緋色の英雄>とか<炎の剣聖>なんて呼ばれてたのか。恥ずかしッ!


「ちょ…ちょっとトリエ。お兄さんが困ってるよ」


「え、ああ…ごめんなさいっ!ボク歴史が好きでつい…」


トリエが慌てて謝ってくる。元気そうな子なのに歴史が好きなのか。意外だな。


「あ、今ボクが歴史好きって意外って思ったでしょ?」


「ギクッ!?ソンナコトナイYO」


「怪しっ!!思いっきり自分でギクッって言ってるし!少しはお兄さんも……そういえばお兄さんの名前は?」


「名前…?そーだな~…う~ん…アシュだな。うん、アシュ・ノーカスだ」


俺はとっさに思い付いた名前を口に出した。何故か二人が俺に訝しげな視線を送ってくる。


「ぎ、偽名じゃないんだからね!//」


とりあえず今流行りのツンデレで誤魔化してみた。結果、ドン引きされた。俺は泣きたくなった。


「つ、つーわけでバイ☆」


俺はそう言ってその場から逃げ出した。闇雲に走り出したようでちゃんと目的地は決まっていた。



懐かしい匂い。俺はかつて共に戦った仲間の所へ行く事にしたのだ。

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