友人の死闘
すっごくくだらないです。
悲しかった。悔しかった。
また負けてしまった事が。
恨めしい……あいつの、生まれもっての才能、それに運。
オレだって結構自信あったんだ。負けたくなくて、かなり極めたから。こんな思いもうしたくないって思ったから。
負けた事をかでにして、次は勝とう次は、次こそはって。
相手の僅かな筋肉の動きとかを見極められるように、目を鍛え抜いた。それでも駄目だったのだから、もう諦めるしか無い。
って思い込もうとしても、先ほどの勝負を思い出すとやるせなさが頭を支配してゆく。
勝算はあったんだ。
筋肉の動きを読んだ感じだと。でも勝てなかったのは……
オレの前に消しゴムが飛んできてそれを掴んでしまった結果、グーを出してしまったからだ!
「……あい?」
先ほどから悲しそうに、それでいて何処か熱烈に語る友人の話を聞いていて、空手か何かの話しかと思っていたのだが。
「そのせいで、そのせいで……オレの瞬発力が優れていたせいで、チョキを出し損ねた!!……残り一個のプリン、欲しかったなぁ」
そういう事らしい。
《完》
お粗末様でした<(_ _)>