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序
形あるものには、必ず寿命がある。
いつか壊れる時が来るはずで、解っているはずなのに、
先延ばしにしようと、人は大切に物を扱う。
大切なもの。失いたくない、大切なもの。
家族と笑って過ごした日々。
大切な人が、記念日に渡してくれたプレゼント。
職人にとっては初めて作った記念すべき一作目かもしれないし、
買い手は一目惚れで目を輝かせて買ったものかもしれない。
それは、その物が抱いている想い出。
かけがえのない何か、がそれには込められている。
人は、生きている間、物をかけがえのない何かで染め上げ、生きていくのだ。




