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第4節 あの子の憂鬱
神社を後にしたあの子は公園にいた。
「本当になんなのからしら、あの声すごく腹がたつわ」
そう愚痴をこぼしてブランコをこぐ。
この公園は家の近所にある所で、嫌なことがあると、いつもここで愚痴をこぼしていた。
今はちょうど昼間なので、周りには親に連れられてきた子どもたちが楽しそうに遊んでいる。
「見てるだけで癒されるな〜」
そう言うと少し落ち着いたのか、眠りに落ちてしまった。
少し経った頃、目を覚ましたあの子は悲しげに走る君を見つけた。
声をかけようとしたが、近くにいじめっ子の1人を見つけ、とっさにやめた。
君が悲しそうに走る姿を見ながらあの子は
「また、声かけそこねちゃった」
ともらした。
その時、脳裏であの声がまた「貴方はバカだ」と言ってバカにしている気がした。
その日はモヤモヤした気持ちを抱えながら、家でゆっくりと休むことにした。