3 第1王女サマ
「はぁ…はぁ…よ、漸く離れた…」
「ヒック…痛いッス…うぅ…」
僕の両腕の中に収まった美少女は大人しい。ビックリするくらい。さっきまでオーウェンを噛んで離すまいとしていたのに。
(いやぁ…それにしても…)
オーウェンの腕は歯型だらけだ。
ごめんよ…魔術さえ使えれば良かったんだけど…。
「オーウェン。タオルを温かい水で濡らして目に当てておいで。腫れちゃうから」
美少女を持ったまま、棚を漁ってタオルを取り出し、差し出す。
「はいッス…」
タオルを受け取り、いそいそと洗面所に入って行った。
それを確認した後、美少女を解放する。
「さて」
ギロリと美少女をかる〜く睨む。
「僕のオーウェンを泣かした美人さん。覚悟は出来てるだろうね?」
ニッコリ。ほんのすこ〜し美少女が青褪める。
「わ、ワタシは、ブルーアワ国の第1王女だぞ!そのワタシが、直々に噛んだと言う事に感謝するべきだ!!」
第一声がこれか。
「はいはい。で?」
顔から感情が抜け落ちていくのを感じる。
「へ?」
凄く間抜けな顔だ。
「だから、何で噛んだのかな?正当性があるなら、見逃してあげる」
「そ、それは、ワタシを無視して話を進めたからだ!」
一言も喋らなかった癖によく言う。喋ろうとしている気配とかも無かったしね。
何で分かるかって?観察していたので。
「なるほどねぇ…」
(正当性は無いね)
「じゃあ、僕の友人に手を出した悪ぅい子さんだ。ふふふ。ほんのすこ〜しだけ」
_痛い目に遭ってもらおうか
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