38 ごめんね、ジェイコブさん
「はぁぁ…満腹ッス…」
僕が食べる量の半分食べてお腹いっぱいらしい。
僕は、イリアの圧を前にあまり食べれなかったからお腹ペコペコだけどね。
「ルシアさんってあまり食べない方って呼ばれません?」
無邪気だ。悪意無し。たが…
(僕は食べる方なんだけどね…!
イリアが『貴族っていう身分なんだからガッツガツと沢山食べないでぇぇぇぇ!!!』って目で訴えてきてるから食べないだけで)
『見栄は大切だが…。僕のお腹が悲しいよぉって言ってる…!』
と、訴えようとしたが、肝心のイリアは皿洗いをする為に厨房に行ってしまった。不完全燃焼。
さて、アレを作る為にオーウェンには寝てもらわなきゃね。
「さ、良い子は歯を磨いて寝ましょうね」
トントンと背中を叩く。
「え!?早くないッスか!?」
驚いているオーウェンの背中をグイグイ押しながら洗面所に行き、歯を磨かせて、僕のベッドに転がした。
「むかぁしむかしある所に、リシアと言う平民が…」
昔話の読み聞かせも完璧にこなし、寝かし付け完了!
(よし。さっさと取り掛かろうかな)
コソコソと真っ黒闇の中、勉強机に向かって移動する。
途中で小指をぶつけた。痛い。超痛いけど、叫ばなかった。オーウェンが起きちゃうからね。
何事も無かったかの様に着席する。
(布と糸と針が…)
いそいそと勉強机に付いている棚から出そうとしたが…
(無い!使い切っちゃったけ…?あまり使わないから入っていると思ったのに!!
…あ。ここ、実家じゃないや…)
仕方がないので、『一応ね♡』と言う言葉と共に持たされた紺色のマーメードドレスと赤色のプリンセスドレスをハサミで破く。
布と糸ゲット。針は…クリップをねじ曲げて何とか…
(前途多難とはこの事だね…)
ブックマーク数80を目指してます…!
すこーーーーーーーーーしでも面白かったらブックマークをお願いしますッ!!!




