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27 花冠を被せられた殿下
「今日はここまで。気を付けて帰って下さい」
担任のマール先生が、教室から出て行った。
(う〜ん…!新学期の学校って感じだったなぁ。ま、そうなんだけど)
伸びをしながら、赤く染まった景色を窓から眺める。
「帰ろっと」
スクリと立ち上がって、来た道を戻る。
(ヴィフィーラ殿下とは昔に会った気がするね…それこそアイリアが生きてた頃くらいに)
仲良く話しているアイリアとヴィフィーラ殿下の母親。
無表情のヴィフィーラ殿下に花冠を被せる僕。
憶測でしかないが、これはルルシアとしての記憶だろう。
(花冠、頑張って作ったんだけどね…。笑うどころか、『やめろ』とも言わなかったし…感情が無いのかと思ったけど、ちゃんとあったんだね)
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