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女子のモブAに転生しました!〜僕は成人男性だけど百合が見たい〜  作者: 凜架 りすみ
第2章 ホワイトナチ学園―入学編

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23 あの事は根に持ってるんで

(『ホワイトナチ学園』って名前だけあって、真っ白だね…)


 だだっ広い廊下をボーッと見つめる。

登校時も『憂鬱です』とテロップで入れられるくらいの顔で歩いていた為、周りに人は居ない。完全に、ヤベェ奴扱いだった。

「1のA……ここかぁ」

 扉を開ける。

目に飛び込んで来たのは、大学にある様な弧を描いた長机と椅子。バラバラに座る人達と、一角に群がる女子生徒達。

「えぇ!?ヘレナさんは、平民なの!!?」

「うん。でも、わたし、聖女だから特別に入れて貰ったの…」

 どうやら、その中心はヘレナらしい。

 

(無視無視…)


 コソッと入り、1番端っこに座る。

まさに陰キャである。見た目は派手だが。

「平民、ねぇ…」

 緑色の髪のご令嬢の一言で嫌〜な空気が流れ始める。

「ねぇ、貴方はどう思う?」

 明らかに僕を見て話している。

 

(僕に振りやがった…!)


「どう思う、とは?」

 ニコリと笑って、すっとぼける。ワンチャン、振るんじゃねぇよ(この気持ち)を汲んでくれるかもしれない。

「この平民についてよ」

 見逃してはくれないらしい。


(はぁぁぁぁぁ…。面倒だ…)


 ヘレナを庇えばご令嬢に嫌われて、虐められる。ヘレナを庇わなければ、僕自身の株が落ちるってとこかな?

「聖女であられるヘレナ様には心から尊敬致します。ですが、『ヘレナさん』と言う人間自体は嫌いです」

 ハッキリ自分の気持ちを言ってみた。

褒めて貶す=変わらない、だ。

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