10 男子生徒=オレンジ髪です
「アストリア殿下ぁ!わたし、この男性達に襲われてますー!」
男性『達』つまりは、僕も含まれていると言う事だね。
助けようとしただけの僕も、ね?
「オレンジ髪の男子生徒君。何があったのか、僕に教えてくれないかな?」
腹が立ったから、八つ当たりって訳では無いよ。そんな事を僕がやる筈無いじゃないか。そう思うだろ?
「ひっ…!」
僕の笑顔の凄みは効き目抜群だ。
「話せ。早くしろ」
「は、はい!えぇっと…コイツが、オレの目の前で…」
モゴモゴと何かを言っている。
「アストリア殿下ぁ。この人、わたしが目の前を通ったってだけで、殴りかかろうとするんです!」
アストリア殿下と呼ばれた王子様っぽい人はその言葉をスルーして、体育館に入ってしまった。
多分、上級生だろう。新入生はもう少し後に入場するから(だが、ヘレナは後を追った。教師に怒られるだろうね)。
「女子生徒の言っている事は本当なのかな?」
僕の言葉にブンブンと首を振る男子生徒。
「コイツが、体育館裏でスズメをイジメてたから…それで、怒って追いかけたらこんな事に…」
「………え?」
(あんな事を言ってたのに?それだけ?でも、嘘をついている感じには見えないし…)
この間、驚異の0.03秒。
「ごめん、僕が悪かったね」
殺気を引っ込めて、素直に頭を下げる。
「人の見た目で判断してしまって…。しっかりと君の意見も聞くべきだったよ…」
まぁ、言動が荒くて勘違いしたのだから、僕が100パーセント悪いとは思わないね。
「グスッ…」
(鼻をすすった音…?)
ゆっくりと顔を上げると、号泣した男子生徒と目が合った。
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