8 あの子は…!
「お手をどうぞ」
「ありがとう、イリア」
(ここが…王乙の舞台!!)
ホワイトナチ学園の門を潜る。
その先には白色のレンガで舗装されたメインストリートがあった。
(昨日は散々な目にあって疲れてたけど、それが全部吹っ飛ぶ暗い嬉しいよ…!)
ジーンとする。さて、入学式の場所は何処だろう?
「入学式は体育館で行われるそうですので、そこまで歩きましょう」
コソッと耳打ちしてくれた。
「何から何までごめんね」
「いいえ、教えてなかった私の責任なので!」
少し大きめの声を出したイリアに注目が集まる。
「すみません…」
「大丈夫だよ。ほら、行こ?」
「はい」
その道を優雅に歩く。
行き先は入学式が行われる体育館だ。
「キャアッ…!止めて下さい!」
悲鳴を上げた女子生徒は、魅力的なふわっとした金色の長めの髪に緑色の瞳のホワイトナチ学園の制服を着た少女。
しかし、魅力的なふわっとした金色の髪はオレンジ髪の男子生徒に乱暴に掴まれていた。
「お前は、オレ様に従えば良いんだよ!!それなのに反抗しやがって!!!」
オレンジ髪の男子生徒は口調が荒い。かなり苛立っている様子だ。
だが、ホワイトナチ学園の制服である黒色のスラックスと緑色のブレザーを纏っている為、生徒らしいが。
だが、僕はそんな事は考えていなかった。否、眼中に無かった。
なんて言ったって、髪を掴まれている女子生徒に夢中になってたんだから。
(あ、あの子は…!)
何度もスチルで見たあの麗しい姿!見間違える筈が無い。
王乙の主人公、聖女ヘレナだ!
続きがちょっとでも気になったらブックマークをよろしく(^3^♪




