5 『宰相』は森林を拳1つで更地に出来る
「あ、女子として入学出来ない理由を聞いても良いですか?」
「アナタが『六芒星』ってすこ〜しの人の間では知られているからよ。と言っても、昔の事だし、『六芒星は何処かの養子の女性だった気がする…』くらいだろうけどぉ…」
申し訳なさそうに眉を下げる。
(なるほど、だから『女性』として行ってはいけないのか。
しかも、この世界は男尊女卑…と、言うよりかは『女性=か弱い』みたいなのが根付いているから、『何も言えないだろうからイジメてやろう』とか考える輩も居るだろうし…)
何か細工してんのかって勘繰るくらい強い『宰相』に武術を教えてもらってるから、お坊ちゃんくらいならデコピン一発で倒せる。
何でそんな事してんだって?
前に言った通り、僕は『森に迷っちゃった…!』のイベントの手助けをする為に決まってるよ!
まぁ、『女子のモブA』から『男子のモブA』に変わっちゃいそうだけど。
「ルルシアちゃん?」
聞いてるのかと心配された。
「あ、あぁ、聞いてますよ。『六芒星』の件は本当に申し訳ないです」
頭を下げる。
「いいえ、隠し通せなかったアタシ達…大人の責任でもあるから謝らなくて大丈夫よ♡」
手でハートを作り、胸の前に当てた。
(優しいなぁ…ジェイコブさん…)
ジーンとしていたが、パンと手を叩く音で現実に意識を向けた。
「伝えたかった事は以上よぉ。明日から寮で生活する事になるのよぉ」
「ん?明日から!?」
目が飛び出る所だった。それくらい驚いたよ。
早くても1週間後くらいかなぁなんて思っていたからね。まさか、明日だなんて…。
(良い情報だったなぁなんて考えてる場合じゃなかった!これどうしよう…)
六芒星が隠れている蒼い瞳で、伸びに伸びまくっている赤髪を見る。
「さて、イリアちゃん。出番よぉ!」
「はい。ルルシア様、悪く思わないで下さいね?」
壁の花となっていたイリアは僕にジリジリと近寄って来た。
一方、ジェイコブさんはシャキーンと言う効果音が付きそうな鋭い鋏を何処からか取り出していた。
2人の気迫に押されて、後ろに半歩下がる。
「とびっきりカッコ可愛くしてあげる♡」
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