1 照れ隠しだろう
「ルルシア様〜!本邸からお呼び出しが来てますよ〜!」
イリアの元気な声が響き渡る。
「ちょっと待って!今、良いとこだからー!」
(闇魔術と光魔術を合わせる…!)
右手に纏っている闇魔術と左手に纏っている光魔術を合わせる為に合掌する。
ボフンッッッと言う音と共に、ブラックホールみたいに何でも吸い込む球体が出来た。
(ふむ、闇魔術多めだとミニブラックホールが出来るんだね)
「光魔術多めだと、どうなるんだろうか…?」
試しに実験を…と思ったが、本邸、つまりはジェイコブさんからお呼び出しが来たらしいし、今回は諦めよう。
「待たせてごめんね」
タタタッと軽やかにイリアに近寄る。
「ふふふ」
「何?」
何故か笑われたので、大変不服である。
「すみません。化物の六芒星ではなく、ただの美人さんだなって思って」
『私が同年代だったら、性別関係なく交際を申し込んじゃいますよ』と軽口も追加された。
(うんうん、分かるよ。僕もこんな、妖しげな雰囲気の美人がいたら、ついドキッとしちゃうもんね)
最近は、幼い感じが抜けて、妖艶さ満点だ。
「イリアみたいな可愛い人に褒めて貰えるなんて光栄だね」
パチリとウィンクする。
ボブの茶髪に黒眼でメイド服。昔と変わらない容貌だが、顔も整ってる可愛い系の顔なので、いつ見ても癒される。
「も〜う!褒めても何も出ないですよ〜!」
バシンバシンと背中を叩かれた。
照れ隠しだろう。
(ちょっと力が強いけど…。まぁ、良いか…)
新章開幕!
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