オマケ4 王子視点
次はいつもの4時半頃!
「婚約者は決まりましたか?」
乳母の実の子供であり、俺にとって兄みたいものなので、側近の中で唯一信頼出来る存在だ。
「全く」
書類の山から目を離しはしない。
「ですよね…。あ、そうだ。陛下から伝言です。『婚約者は無理に決めなくて良い。予は平民以外なら全て許可する』。だそうですよ」
「…人は居ないから、いつもの様に話してくれ」
「わーったよ」
途端に下町の兄ちゃん口調になった。
これもいつもの事だ。この口調が私にとっては安心出来る。
「てゆーか、10歳に過ぎても婚約者がいねぇー貴族子女なんてあんのか?」
「一応あるぞ。えぇっと…ルルシア・ヴァイデットだ」
ヒラリと報告書を取り出した。
「『六芒星』だろ!?論外っしょ!」
(だが…王位継承権の無い、無能な俺には化物くらいがお似合いなのかもな…)
心の中では一人称が『俺』なのだが、王子と言う立場なので外面は『私』にしている。これに気付いているのは、長年の付き合いである目の前の男くらいであろう。
「私と同い年だから、ホワイトナチ学園に通うだろう。そこで、じっくりと私に釣り合うかどうか考えればいいさ」
パチンとウィンクをしてみたら、『うげぇっ』とでも言わんばかりの顔をされた。
周りの人達はこれで『キャーキャー』言うんだけどな…。
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